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ノルケインのイノベーティブな姿勢を表現した新作「ワイルド ワン」の魅力を検証

左(カーキ/ブラック)と中(ブルー/ブラック)は「ワイルド ワン」のレギュラーモデル
左(カーキ/ブラック)と中(ブルー/ブラック)は「ワイルド ワン」のレギュラーモデル。200m防水。COSC公認クロノメーター取得のCal.NN20/1搭載。約70時間パワーリザーブ。自動巻き。径42㎜。ノルテック×ラバーケース。ラバーストラップ。各76万6700円。右(ボルドー/グレー)は世界200本限定の「ワイルド ワン リミテッドエディション」。グレーダイヤルにゴールドカラーの針とインデックスが映える。79万9700円。

5000Gの耐衝撃性能を誇る「インディペンデンス ワイルド ワン」は、スイスの最新時計製造技術を結集した新たなラグジュアリースポーツウォッチだ。

まず外装素材が革新的だ。使用するのはノルケイン専用に開発された高性能カーボン複合素材“NORTEQ(ノルテック)”。これは航空宇宙産業で使用されるカーボンファイバーと、バイオ由来原料を60%含む高性能ポリマーマトリックスで構成された新素材だ。ステンレンスチールの約1/6、チタンの約1/3という超軽量でありながら、非常に堅牢であることが特徴。また黒単色の既存のカーボンと違い、多彩なカラーを作り出すことができるのもメリットだ。

ケース構造

もちろん素材だけで驚異的な耐衝撃性能を叶えたわけではない。ケース構造自体も極めて革新的だ。ケニッシ社製のマニュファクチュールキャリバーNN20/1はチタン製のコンテナに収め、それをラバー製のミドルケース(ショックアブソーバー)が保護。さらに上下からノルテックが挟み込むという独自の構造を持つのだ。

文字盤

また、デザインも秀逸。とりわけ目を見張るのがダイヤルの精緻な立体表現だ。これは文字盤製造において名高いスイスのMontremo SA社との共同開発によるもの。0.05㎜ずつ高さを変えた3層のレーザーカットを施し、非常に奥行き豊かで、ミステリアスな盤面に仕上げている。よく見るとパターンが、スイスの頂から着想したノルケインの“ダブルN”ロゴというのも面白い。スケルトン仕様の針やインデックスとのバランスも完璧で、吸い込まれるような魅力がある。

ワイルド ワン ハクナ ミバカ リミテッドエディション
「ワイルド ワン ハクナ ミパカ リミテッドエディション」。200m防水。COSC公認クロノメーター取得のCal.NN20/1搭載。約70時間パワーリザーブ。自動巻き。径42㎜。ノルテック×ラバーケース。ラバーストラップ。世界限定500本。78万8700円。

「ワイルド ワン」は2種のレギュラーモデルと、1種の限定モデルがあるが、それ以外にノルケインのアンバサダーを務めるディーン・シュナイダーとのコラボモデルも用意された。彼はSNSで約1000万人ものフォロワーを持つ、欧州で最も有名な野生動物の保護活動家。ノルケインはその活動に賛同し、彼が南アフリカに設立した野生動物保護区と動物リハビリセンター「ハクナ ミパカ」をサポートしている。

今回のコラボモデルのデザインや構造はレギュラーモデルと同じだが、ダイヤルとラバーストラップにライオンの毛並みを想起させるパターンを施したほか、ベージュカラーのラバー製のミドルケースにハクナ ミパカの砂を混入し、それが独特の質感を生んでいる。美しいだけでなく、地球環境や動物保護のために何かのアクションを起こしたい人にとって特別な1本となろう。

左がノルケインCEOのベン・カッファー氏。右がアンバサダーのディーン・シュナイダー氏
左がノルケインCEOのベン・カッファー氏。右がアンバサダーのディーン・シュナイダー氏

まだ若いブランドでありながら、スイス機械式時計文化を継承するという情熱であっという間に業界注目の的となったノルケイン。何もかもが革新的なワイルド ワンのリリースで、さらに勢いに拍車はかかるだろう。名門勢のラグジュアリースポーツウォッチの高騰が止まらない中、戦略的なプライス設定をしているところも魅力で、今後時計界の勢力図が塗り替えられる可能性もある。挑戦を続ける自身の良き相棒となる時計をお探しなら、今のうちにこのブランドをチェックしておきたい。

文=吉田 巌(十万馬力)
※表⽰価格は税込み

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