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爽快な走りを楽しめつつ燃費も上々

マツダ CX-60
ピアノブラックのグリルはバータイプに加え、エクスクルーシブスポーツとプレミアムスポーツにハニカムタイプが用意された。

従来のオルガン式アクセルペダルやペダルレイアウトなどにひと際こだわっているマツダらしいのが、新機能の自動ドライビングポジションガイドを搭載したこと。ドラポジは自己流という人はあんがい多いもの。これがあれば、ドライバーの目の位置を検出するカメラと身長を入力したデータから体格を推定し、自動でマツダが考える人馬一体のシート位置などにセッティングしてくれる。実際に試してみたが、いいあんばいに調整してくれた。あとは、メモリーしておけばいつでもそこに合わせてくれる。

エンジンを始動すると、アイドル時はかすかにディーゼルであることを意識させる音が聞こえる。発進時はモーターのアシストをいかして車両重量1940kgのボディをナチュラルに加速させる。めちゃくちゃパワフルというわけではないが、まったくもって不満はない。そして回転フィールはまさに6気筒のそれだと感じさせるものだ。

マツダ CX-60 走行シーン
走行モードを選択できるMi-Drive(マツダインテリジェントドライブセレクト)にはノーマル/スポーツ/オフロードに加え、牽引時の安定性を高めるトーイングモードとハイブリッド系モデルに備わるEVモードが追加された。

特に高速域でのコーナリングは気持ちがいい。縦置きプラットフォームだけに、ロードスター譲りのKPC(キネマティック・ポスチャー・コントロール)が採用されており、ロールも少なくビタっと安定してコーナーを曲がることができる。一方で市街地での常用速度域で荒れた路面を走行する際などに上下にゆすられることがあり、乗り心地に関して少々荒削りな部分も感じた。もう少し足回りの慣らしが進めばこなれるのかもしれないが、マツダのことなので、すぐに改良に向けて手を打つはずだ。

それから燃費は注目に値するものだった。カタログ値は21.0km/L(WLTCモード)なのだが、メーター表記では高速区間では21.4km/L、そこからワインディング路に入ってスポーツモードで走行したあとも16.4 km/Lを示していた。短い試乗時間のものなのであくまで目安だが、ロングドライブでは相当な数値が期待できそうだ。

また最新のADASはもちろん、マツダが以前から研究開発を進めているドライバー異常時対応システム(DEA)も搭載されている。ドライバーの状態をモニタリングし、異常を検知しドライバーが運転に復帰できないと判断すると自動で減速、停止し外部へ緊急通報を行うというもの。一度テスト車両で体験したことがあるが、周囲を巻き込んでしまうような事故を未然に防ぐすぐれた機能だ。

各社が電動化に向けまっしぐらの中、あえてプラットフォームからエンジン(しかも直6)、トランスミッションまで、新規で開発してしまうマツダのこだわりには頭が下がる思いがする。輸入プレミアムとも伍する内容で、この3.3リッターマイルドハイブリッドのXD-HYBRID Exclusive Modernの車両価格は505万4500円、XD-HYBRID Premium Modernの車両価格は547万2500円。なかなか魅力的だ。実際に7月末時点の受注でも45%をこのXD-HYBRIDが占めているというからさもありなんだ。

文、編集=iconic 写真=マツダ

<p>新開発のトルコンレス8ATを搭載、ポジションの位置も変更されている。</p>

新開発のトルコンレス8ATを搭載、ポジションの位置も変更されている。

<p>後席はシートアレンジがしやすい4:2:4分割可倒式を採用。</p>

後席はシートアレンジがしやすい4:2:4分割可倒式を採用。

<p>ラゲージにはアウトドアなどで活躍するAC電源(1500wまで)が備わる。</p>

ラゲージにはアウトドアなどで活躍するAC電源(1500wまで)が備わる。

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