「Audi RS e-tron GT」に乗って、クルマと地方の未来を考える【CEO Talks e-tron #2《後編》】

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星野さんとシェーパースさん
左:星野リゾート代表 星野佳路さん。右:フォルクスワーゲン グループ ジャパン代表取締役社長 兼 アウディジャパン ブランドディレクター、マティアス・シェーパースさん。取材が行われたのは、水力を利用した自家発電にも力を入れている「星のや軽井沢」。

CEO Talks e-tron ~Future is an attitude~ #2
星野リゾート代表・星野佳路 さん《後編》

CEO Talks e-tron ~Future is an attitude~ #2


前編の記事はこちらから
自然環境を大切にするアウディと星野リゾートとの共通点とは?【CEO Talks e-tron #2《前編》】

Future is an attitude、未来に向かって今私たちができることとは?

シェーパースさん 自動車業界では電気自動車を脅威と思って、すごくディフェンシングになっている会社もあります。でもそれをチャンスと捉え、消費者の価値観も変わってきている中で我々もそれに合わせて変わらなきゃいけない。その姿勢として『Future is an attitude』というビジョンを打ち出しました。日本語で言うと『未来は 考え方ひとつ。』ということですが、これに対し、まず社員とディーラーさんがポジティブに受け入れ、変わってくれました。アウディを信頼し、信じてくれる。僕が個人的にやりたいのはこうした仲間を増やしていくことですね。そうでないとこの大きな変革は進められないでしょう。

星野さん 私たちの場合、本当に勝手にやっていますが、SDGs面ではエネルギーだけじゃなく、実は雇用を最も重視しています。とくに日本の地方は人口減少と高齢化が進んでいるので、地方で観光に従事する人たちがしっかりと長く仕事ができるような雇用環境を作っていく。これも私たちにとっての一番大事なSDGsの取り組みだと思っています。

シェーパースさん ホテル業界で周りにも同じような考え方の経営者はいますか。

星野さん まだ少数派ですが、少しずつ増えていると思います。自然関係のことで言えば、私の場合もともと自然が好きなんですよね。先々代も先代もそういう発想で野鳥の保護に取り組み、海外からのエコツーリストの人たちにもサービスを提供してきたっていうのも、私が環境コンシャスになった一つの理由かもしれないですね。

シェーパースさん そうなんですか。たまたま以前、家族と「野鳥の森」を散歩したんですけど、やっぱりいいですね。

星野さん SDGsを考える時に、地方の視点が大事だと私は思っています。地方はよりSDGsの幅広い項目に取り組めるチャンスがあります。ワーケーションといった仕事のあり方もそうだし、私たち観光地はそれをサポートしていきたいと思っています。

シェーパースさん 電気自動車でいえば、日本では脱二酸化炭素への一つの大きな関門なんですね。ドイツも日本と同様、工業国としてプライドや職人文化があり、雇用を守りたいという状況も十分理解できますが、そのドイツでさえシフトして、技術としてそれを先に進めるように切り替えています。電気自動車のエネルギー問題にしても、だからこそグリーンエネルギーに投資するという方向に進んでいる。日本は技術大国なんですから、そういったところに議論が進めばいいと思いますし、我々も自動車業界として貢献できればというのが私の個人的な考え方ですね。

星野さん 確かに電気を火力発電で作っていたらあまり変わらないですからね。どうやってリニューアブルエナジーに転換していくか。すごく重要な視点かもしれません。私の理想は、社会全体もそうですけど、マイクロプリントとして自分の家や庭、エリアの中で電力を賄う。自分でどうやって電気を起こすかみたいなことは、なかなか東京にいると考えないけれど地方に行くと考えるだけの価値があります。

シェーパースさん 10年前ドイツはソーラーパネルのリーダーだったんですが、その座は中国に移りました。こんな時代になるとは予想もつかなかったでしょうね。しかしいま電気自動車を通して、グリーンエネルギーが必要という世論にどんどん変わってきています。日本はまだ未知数ですが、むしろ非常にポテンシャルがあると感じています。

星野さんコメント

シェーパースさん 今回都内からドライブしてきたのがAudi e-tron GT quattroです。普段、電気自動車にお乗りの星野さんにぜひ同乗していただきましょう。

星野さん 外から見ているよりもスポーツカーっぽいですね。座面が低くて、路面がかなり近く感じます。

シェーパースさん ゴーカートのようなフィーリングですね。スポーティな演出のひとつに音もあるんですよ。

星野さん 確かにエンジンから電気に代わって失うものの一つは音かもしれないですね。音のフィーリング。

シェーパースさん そうなんです。やっぱりクルマ好きはそれを魅力に感じますから。エンジンの音を再現し、アクセル踏むと少し音が上がります。星野さんは20年前から電気自動車に乗られていますが、日本有数のユーザーにとって電気自動車はどんな存在なのでしょう?

星野さん 日本で暮らす私には電気自動車はとても大事な存在です。電気だったら国内でもなんとか発電できるじゃないですか。でも石油は日本じゃ出ないし、輸入に頼らざるを得ないというのが、心の中でちょっとしたストレスでした。それが電気自動車になった途端に希望が持てますから。そこが私にとっての電気自動車の価値です。ですから私たちのリゾート内にもチャージ施設を設置しますし、私自身が遠出する時にも一応確認します。「どこで充電できるだろうか」って。

シェーパースさん それだけユーザーの思考が変わってきているっていうことですね。

星野さん やっぱり実際に電気自動車に乗ると変わりますね。でもいずれは確認しなくても安心して出かけられる時代が来るでしょう。

シェーパースさん でも、まだまだ高速道路のチャージ設備もまだ足りないし、充電のスピードも遅いのが現状です。でもこれを改善するのと同時に、クルマも進化させてバッテリーのアップロードのスピードを上げています。

星野さん クルマが世の中に誕生してから、これだけの大変化って初めてですね。

シェーパースさん そうですね。100年に1度の変革って言われてます。でもそういった時代に生きることが私は幸せだと思っているんです。時代が変わる中、新しい発想が生まれ、お客様の価値観も変わる。電気自動車を通して環境に配慮しているといった姿勢や価値観を間接的に伝えることもできますし。

星野さん 私にとってのアウディのイメージはやっぱりクワトロで、スキーを積んで雪の上を走っていく。今日乗せていただいたスポーツカー以外に、電気自動車にはそういう車種もあるのですか。

シェーパースさん はい、日本で最初に導入したAudi e-tronはSUVです。5人が荷物を満載してゆったり乗れる。もちろんクワトロです。

星野さん スキーは本当に荷物が多いです。

シェーパースさん 私もそれで飛行機で行くのが嫌で、クルマでスキーに行くのが楽しみなんですよ。とくに裏磐梯が好きで、あそこにいくと必ず道も雪なのでクアトロらしい走りが楽しめます。

星野さん 猫魔スキー場は、原生ブナ林に囲まれていて、景色も違います。ゲレンデからちょっと外れたところに素晴らしく美しい森がありますから、次回はそこへご案内しますよ。

シェーパースさん ぜひ!今回はお会いでき、光栄でした。

星野さん こちらこそありがとうございました。冬には裏磐梯に行きましょう。

今回乗ったクルマはコチラ

Audi RS e-tron GT

EV初のRSモデル「Audi RS e-tron GT」は、未来のグランツーリスモの姿をアウディ流に解釈したモデル。サステイナビリティを強く意識したコンセプト、エモーショナルなデザイン、パワフルな駆動システム、ダイナミックなハンドリングがこのクルマの特徴を明確に表現している。ドライブコンセプトだけではなく、ベーリンガーホフ工場におけるすべての生産工程が、カーボンニュートラルな方法で行われている。全長4,990×全幅1,965×全高1,395 mm、最高出力475kW、最大トルク830Nm、一充電走行距離534km(WLTCモード)。1,799万円~
Audi e-tronスペシャルサイト

 
マティアス・シェーパースさん

マティアス・シェーパースさん

1975年東京生まれ。国際基督教大学卒業後、NIMBAS経営大学経営学(MBA)修士課程修了。2002年にアウディ(ドイツ)入社後、アウディジャパンに出向。ロジスティックはじめ、東南アジアや日本のマネジャーを務め、アウディ フォルクスワーゲン台湾社長から昨年アウディ ジャパン社長を経て、今年フォルクスワーゲン グループ ジャパン代表取締役社長と現職の兼任に。



星野佳路さん

星野リゾート代表 星野佳路さん

1960年生まれ。長野県出身。慶応義塾大学経済学部を卒業後、米国コーネル大学ホテル経営大学院修士課程修了。1991年星野温泉(現在の星野リゾート)社長(現在の代表)に就任。所有と運営を一体とする日本の観光産業でいち早く運営特化戦略をとり、運営サービスを提供するビジネスモデルへ転換。国内外でテレワークを実践するとともに、年間60日以上のスキー滑走を目指し、今年はすでに達成した。


撮影=仲山宏樹 文=柴田 充

2024

VOL.341

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