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現在のマーケットで再評価されるコンセプトとスタイリング

前期モデル(左)と後期モデル(右)
前期モデル(左)と後期モデル(右)。後期モデルはルーバーが追加されたフロントマスクなどが変更されている。

しかし生誕50周年を迎える現在、そのコンセプトやガンディーニによるクリーンなスタイリングが再評価され、クラシックカーマーケットにおいても高い存在感を誇っている。シトロエンLHMシステムのメンテナンスに関する理解不足が災いとなったのも否めないが、現在においても必要なコンポーネントは問題なく入手可能であるし、リビルトも可能である。逆に鉱物系LHMシステムは吸湿から来るラインの腐食に悩まされることもなく、動かすことの少ないクラシックカーと相性は悪くない。もっとも、経験値をもった“主治医”を確保することはマストであるが…。

1968年にシトロエンがマセラティの経営を握って以来、オイルショックが勃発するまでの間は多額の開発投資が行われ、マセラティにおける一つの黄金期とも言える。そこで花開いたのがボーラであり、このカムシンである。そしてこういった流れとは少し異なった経緯で、もう一台のモデルが同年に誕生している。そのモデルとはデ・トマソマネジメント初頭においてマセラティの経営を支える重要な存在となったメラクであった。

vol.03へ続く

越湖信一

モデナ、トリノにおいて幅広い人脈を持つカー・ヒストリアン。前職のレコード会社ディレクター時代から、ジャーナリスト、マセラティ・クラブ・オブ・ジャパン代表として自動車業界にかかわる。現在はビジネスコンサルタントおよびジャーナリスト活動の母体としてEKKO PROJECTを主宰。クラシックカー鑑定のオーソリティーであるイタリアヒストリカセクレタ社の日本窓口も務める。著書に『Maserati Complete GuideⅡ』などがある。

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文/越湖信一 EKKO PROJECT 写真/Marc Sonnery、Maserati 編集/iconic

<p>ギブリの後継モデルとなるFRの2+2GTモデル。エクステリアはウェッジシェイプを特徴とした未来的なスタイリング。</p>

ギブリの後継モデルとなるFRの2+2GTモデル。エクステリアはウェッジシェイプを特徴とした未来的なスタイリング。

<p>インテリアはラグジュアリーながら、スポーティーなテイストが取り入れられている。</p>

インテリアはラグジュアリーながら、スポーティーなテイストが取り入れられている。

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