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「OK、Google」で車内での操作が可能になった

ボルボXC60 タッチディスプレイ
最新のGoogleマップを活用、Google Playからアプリもダウンロードできる。

「OK、Google」と話しかけることで、ドライバーはステアリングから手をはなすことなく運転に集中したまま、エアコンの温度調整や目的地の設定、音楽やポッドキャストの再生、メッセージの送信や、Google アシスタント対応デバイスの操作などを行えるというものだ。つたない英語での操作となったけれど、温度調整や音楽の再生などはもちろん可能だった。そしてナビゲーションはもちろんGoogle マップを使い、Google Play ストア経由でアプリをダウンロードして利用することが可能で、機能がどんどん拡張していくというわけだ。

ボルボXC60 タッチディスプレイ
各種機能はセンターのタッチディスプレイに表示される。(写真は本国仕様)

いまメルセデス・ベンツやBMWなども自然言語による独自の音声操作システムを導入しているけれども、それらと異なるメリットは、Googleがもつ莫大なデータの活用とその拡張性ということになるだろう。このOSを搭載したボルボは、将来的にはすべてのGoogleアシスタント対応デバイスとつながることを目指していくという。例えばGoogleアシスタント対応のホームデバイスやモバイルデバイスへの音声操作を通じて、冬の寒い日にあらかじめ車内を暖めたり、解錠や施錠などクルマに搭載されている各種機能を遠隔操作することができるようになるだろうし、またその逆でクルマを通じて音声でホームデバイスを遠隔操作し、帰宅時にあらかじめ家の電気やエアコンをつけるといったことも可能になるだろう。

また本国では今年1月、Googleを搭載するボルボの車両にYouTubeの動画再生機能を導入すると発表している。車内でのビデオストリーミングが可能となり、電気自動車での充電時間などを楽しく過ごせるようにする意図があるという。ボルボらしく安全性に配慮し、動画の再生はクルマが完全に停止している時のみ利用可能という。

こうしてクルマは電動化とともにものすごいスピードでデジタル化している。もちろんGoogleだけでなく、AmazonもAI音声アシスタントサービスの「アレクサ」を使った同様のサービスを展開しており、北米などでは日産がすでに導入しているし、国内で販売するBMWの一部車両でもアレクサが使える「アマゾンアレクサ カー・インテグレーション」という機能が導入されている。アップルやソニーはクルマそのものの開発に着手しているわけで、自動車メーカー各社だけでなく、IT関連企業をまきこんだ覇権争いはますます熾烈になっていく。

ボルボXC60
グレードにより出力の異なる2リッター直噴ターボを搭載、電動スーパーチャージャーやモーターが組み合わせられる。価格は649万〜959万円。

ボルボは、2030年までにすべてのボルボ車を電気自動車とし、それらはすべてオンライン販売するというチャレンジングな目標を掲げている。それを考慮すれば、こうした先手先手の取り組みは、まさにボルボらしいといえるだろう。「OK、Google。XC60を1台オーダーして」と家のスピーカーに話しかけるだけで、納車される時代もそう遠くないのかもしれない。

文・藤野太一 写真・阿部昌也、ボルボ・カー・ジャパン 編集・iconic

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