
「もちろん、参戦コストは大事でしたが、LMDhのレギュレーション発表を待って、我々のプロジェクトは裁可されました。オレカやダラーラなどレーシング・コンストラクター製のマザーシャシーをベースに開発していくLMDhマシンは、LMHのようには外観上の特徴がもたせ辛く、おそらくはグラフィック上の違いになりやすいだろうと、我々プジョーは判断したのです」
9X8は耐久レースの世界選手権という檜舞台で、プジョーの独自性を打ち出すマシンでなければならない以上、市販車とまったく同じプロセス、アプローチで作られているという。とはいえ市販に移されることはなく、工場で量産に移されない一点のみが、通常の市販モデルと異なっている。
「開発の最初期段階から、エンジニアだけでなくデザイナーのチームが加わって、方向性をあれこれ議論するのはまったく市販車と同じです。備えもったエフィシェンシーとインテリジェンスでもって周囲環境にインパクトの少ないこと、それでいてスポーツや競技においては獰猛でコンペティティブであること。加えて歴代のプジョーの耐久マシンと比べられても、ひと目でプジョーであることが分かるような」