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着丈長め・身幅細めで現代の服にも合わせやすい

M.E. ジーンズと同様、ヴィンテージウェアショップでは必ずといっていいほど見かけるデニムジャケット。以前はアメカジのイメージが強いアイテムでしたが、近年はクラシックスタイルを好む人たちの間でも再注目されています。そこで今回は、その原点であるリーバイスについてご解説いただきたく思います。

西口 よろしくお願いします。ジーンズと同様、様々なモデルが存在するデニムジャケットですが、ビギナーの方におすすめの一着として、今回は「70505 ビッグE」をお持ちしました。

M.E. 70505というのが、ジーンズでいう「501」や「505」にあたるわけですよね? ちなみにデザインによって「1st」や「2nd」などという呼び方もしますが、こちらはどの区分になるのですか?

西口 その呼び方だと「4th」になります。多くの方にとってお馴染みであろう「3rd」は「557XX」という品番が与えられているのですが、70505はその次に登場した品番のため4thと呼ばれます。デザイン的に両者はよく似ているのですが、3rdに比べて4thは着丈が長め、身幅が細めにデザインされているのが大きな特徴です。ちなみに70505という品番は1960年代後半から登場するのですが、初期に製造されたものは3rdに近いシルエットやディテールをもつものもあります。

M.E. なるほど。そして“ビッグE”があるということは、“スモールe”もあるということでしょうか?

西口 そのとおりです。ビッグEの70505は’71年ごろまで製造されているのですが、その後はスモールeに変更されます。ヴィンテージとみなされるのはビッグEまでで、スモールeの70505はオールド・リーバイスと呼ばれることが多いですね。ちなみに70505の後にはハンドウォーマーがついた「70506」が登場します。

M.E. ふむふむ、時代関係がなんとなくわかってきました。では、70505 ビッグEを西口さんがおすすめする理由はなんですか?

西口 最も大きな理由はシルエットです。先ほどお話ししたとおり、70505は前身の557XXに比べて、やや長めの着丈と細めの身幅を特徴としています。557XXまでのデニムジャケットはワークウェアとしての性格が強いため、ファッションアイテムとしては少々クセが強い。対して70505は現代の洋服にも合わせやすく、ジャストサイズで着ても、あえてタイトめやゆったりめで着てもサマになります。要は、とても汎用性が高いのです。

M.E. それは重要なポイントですね。一見557XXも70505も同じようですが、使い勝手がかなり変わってくるというわけですね。

西口 おっしゃるとおりです。そして、70505の中でもビッグEをおすすめする理由は、やはり色落ちの美しさにあります。ジーンズと同様、タテ落ちするデニム生地で作られているものは評価が高いですね。

M.E. ビッグEのジーンズはかなり高額ですが、デニムジャケットなら手を出しやすいところもいいですね。では続いて、70505の着こなしについてもご教示いただければと思います。アメカジでファッションに目覚めた西口さんにとっては、やはり時代を問わない定番的なアイテムという位置付けですか?

西口 そうですね。初めて購入したのは高校2年生くらいだったと記憶しています。当時はデザイナーズブランドからもデニムジャケットが多く提案されていて、周りにはそれらを着ている人が多かったのですが、自分はそのときからリーバイス派。ちょっと浮いていましたね(笑)。でも、学生時代から“格好いい服だなぁ”と思っていて、今でもその気持ちは変わりません。70505だけでも4〜5着は買ったと思います。テーラードを知る前はチノパンなどと合わせるのが定番でした。

ドレスミックスで着こなすのが大人の定番

M.E. では、そのあと様々なファッションに触れてきた今はどう活用されていますか?

西口 年齢を重ねた今となっては、グレーのウールパンツなどドレスアイテムとミックスすることが多いですね。一見真逆のテイストにも感じられますが、どちらも"クラシック"という点では同じ。だからこそ、ベクトルの違う服をミックスしてもチグハグにならないですし、むしろ新鮮なツイスト感が生まれるんです。

M.E. ヴィンテージミックスの醍醐味ですね。ところで、先ほどサイズ感のお話が出ましたが、西口さんはどのようにサイズを選んでいますか?

西口 パンツのシルエットによって使い分けています。比較的細身のパンツならジャストフィットで、ワイドパンツならワンサイズ上げることが多いですね。とはいえ、太めのパンツにジャストサイズの70505という組み合わせも決して悪くないと思いますよ。袖が太めにできているので、ジャストで着てもワイドパンツとのバランスがいいんです。

M.E. 先ほど話に出た“70505は着こなしの汎用性が高い”というのは、こういうことなんですね。

西口 そうですね。それから、色落ち具合に合わせてコーディネートすることも大切です。ジーンズと同じ考え方になりますが、色落ちが進んだものほど軽快な雰囲気になりますので、合わせるアイテムの色柄も軽やかにするとよいでしょう。例えば靴で考えると、濃いデニムジャケットなら黒やダークブラウンのレザーシューズがよく合いますし、淡色のデニムジャケットにはライトブラウンのローファーなどがマッチします。秋冬シーズンには濃いめのジャケットが使いやすいですね。

M.E. 勉強になります。最後に、店頭でコンディションを吟味する際のポイントも伺えますでしょうか?

西口 襟裏が傷みやすいため、交換修理されているものを時々見かけます。オリジナルにこだわる方ならチェックしておきましょう。袖口などのステッチ切れにもご注意を。ちなみに70505は紙パッチ仕様のため、下写真のようにパッチが取れてしまっているものが多いのですが、私はあまり気にせず選んでいますね。ご多分に漏れず、こちらも弾数はかなり少なくなっています。服好きならぜひ所有しておきたい名品なので、是非狙いをつけてみてください。

<p><b>共生地のフラップ裏が4thの証</b><br />
「557XX(3rd)はポケットフラップの裏側がシャンブレー素材になっているのですが、70505(4th)は共生地で作られています。パッチがなくても両者を判別できるポイントのひとつです」</p>

共生地のフラップ裏が4thの証
「557XX(3rd)はポケットフラップの裏側がシャンブレー素材になっているのですが、70505(4th)は共生地で作られています。パッチがなくても両者を判別できるポイントのひとつです」

<p><b>ボタン裏の刻印は3ケタ</b><br />
「フロントボタンの裏側に刻印された文字も、品番を推測する手がかりになります。このような数字3ケタは70505、アルファベット1文字のものは557XXである場合が多いですね」</p>

ボタン裏の刻印は3ケタ
「フロントボタンの裏側に刻印された文字も、品番を推測する手がかりになります。このような数字3ケタは70505、アルファベット1文字のものは557XXである場合が多いですね」

<p><b>“V”の文字にも注目</b><br />
「“E”の文字ばかり注目しがちですが、実は“V”の書体も時代によって微妙に変わります。557XXはVの左右が同じ太さですが(一部例外あり)、70505時代はVの右側が細くなっています」</p>

“V”の文字にも注目
「“E”の文字ばかり注目しがちですが、実は“V”の書体も時代によって微妙に変わります。557XXはVの左右が同じ太さですが(一部例外あり)、70505時代はVの右側が細くなっています」

<p><b>ジャケット感覚で活用するのがポイント</b><br />
一見着こなしが難しそうに感じるデニムジャケットだが、紺ジャケ感覚で定番服と合わせれば大人の装いに。ボタンもジャケットのように真ん中ひとつ掛けにしている。インナーのニットをパンツインするなど細部のこなしにも注目。</p>

ジャケット感覚で活用するのがポイント
一見着こなしが難しそうに感じるデニムジャケットだが、紺ジャケ感覚で定番服と合わせれば大人の装いに。ボタンもジャケットのように真ん中ひとつ掛けにしている。インナーのニットをパンツインするなど細部のこなしにも注目。

<p><b>名作ローファーで足元もフレンチに</b><br />
足元はジェイエムウエストンのコインローファー。ピーコートやボーダーニットともあいまって、フレンチシックなムードにスタイリングされている。チラリと覗かせたホワイトソックスも抜け感を醸し出すさりげないポイントに。</p>

名作ローファーで足元もフレンチに
足元はジェイエムウエストンのコインローファー。ピーコートやボーダーニットともあいまって、フレンチシックなムードにスタイリングされている。チラリと覗かせたホワイトソックスも抜け感を醸し出すさりげないポイントに。

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