>> この記事の先頭に戻る

乗り心地などはオープンをメインにセッティング

BMW4シリーズカブリオレ

クローズドスタイルは金属製では表現できない連続する曲線フォルムが魅力だ。けれども実際に触ってみると驚く。全くもってソフトなんかじゃない。押しても凹みもしないほどハードだ。要するにこれはソフトトップとリトラハードトップの良いとこ取り。ソフトトップへの回帰などではなく、全く新しいトップだと考えた方がいいかもしれない。

それゆえクローズドのままで走り出すと、これがフルオープンのクルマだとはとてもじゃないけど思えない。ルーフの大開口にあたり足回りやシャシーが鍛え直されていることもあって、街中ではやや硬い乗り心地に終始するものの、全般的にはクーペに遜色ないパフォーマンスをみせる。メタルトップよりも軽いことは明らかで、重心高ははっきりと下がっていると実感できるから、違和感も減った。メタルトップユーザーがかわいそうに思えてくるくらいだ。

トップの開閉時間も18秒に短縮され、50km/h以下であれば走行中の操作もできる。これは大きい。気軽にオープンエアクルーズを楽しむことができるという点でも、ソフトトップは優れている。

オープンにすると、ちょっとバタついて嫌だな、と思っていた乗り心地も随分と改善される。オープン主体のセッティングがなされているのだろう。クローズドで感じられた節々の力みがスーッと消えていくように思えた。

BMW4シリーズカブリオレのエンジン
最高出力387ps/最大トルク500Nmを発生する3リッター直6ターボを搭載。0-100km/h加速は4.9秒とされた。

3リッター直6ターボエンジンのパフォーマンスは相変わらず胸がすくという表現の似合う類で、オープンではなおのこと、腹の底を大量の空気が抜けていくようなマルチシリンダーエンジンに特有の醍醐味を味わうことができる。8ATとxドライブとの組み合わせにより、加速の安定感と小気味良さはクラス随一の爽快さだ。太いエグゾーストノートをダイレクトに感じることができる点も、オープンカーならでは。今はまだ、このサウンドに酔いしれていたい。

BMW4シリーズカブリオレ
サーキットで培われた技術を取り入れ走行性能を高めたMパフォーマンス・モデルの、M440i xドライブ カブリオレ(1089万円)。他にも、2リッター直4ターボを搭載する420i カブリオレ(641万円)と420i カブリオレ Mスポーツ(696万円)、サーキットでの運動性能を高めたMハイ・パフォーマンス・モデルのM4 カブリオレ コンペティション M xドライブ(1433万円)をラインナップする。

現時点ではM440iのxドライブ(4WD)にしか試乗できていないけれど、本命はFR(後輪駆動)の420iだ。おそらく、もっとカジュアルで軽やかなオープンドライブを楽しむことができるはず。足回りの引きつった印象も穏やかになっていることは容易に想像がつく。高性能を追い求める向きは、いっそM4コンバーチブルを考えた方がいい。多くの読者にとってベストチョイスは、実はクーペもそうだけれど、420iの方だと思っている。

文=西川淳 写真=デレック槇島 編集=iconic

<p>トランクリッドのMリア・スポイラーなど、M4ほどではないものの、エクステリアにはスポーティなパーツが備わる。</p>

トランクリッドのMリア・スポイラーなど、M4ほどではないものの、エクステリアにはスポーティなパーツが備わる。

<p>ハンズオフ機能付き渋滞運転支援機能を採用。高性能3眼カメラ&レーダーを用いた安全・運転支援システム「ドライビング・アシスト・プラス」を標準装備する。</p>

ハンズオフ機能付き渋滞運転支援機能を採用。高性能3眼カメラ&レーダーを用いた安全・運転支援システム「ドライビング・アシスト・プラス」を標準装備する。

<p>基本デザインをクーペと同じくするインテリア。音声認識機能(インテリジェント・パーソナル・アシスタント)も備えている。</p>

基本デザインをクーペと同じくするインテリア。音声認識機能(インテリジェント・パーソナル・アシスタント)も備えている。

<p>前シートにはヘッドレスト下から首回りに温風を送るエアカラーを採用。後席スペースには、前席への風の巻き込みを減らす折り畳み式のウインドディフレクターも装着可能。</p>

前シートにはヘッドレスト下から首回りに温風を送るエアカラーを採用。後席スペースには、前席への風の巻き込みを減らす折り畳み式のウインドディフレクターも装着可能。

<p>今回、試乗したのはM440iのxドライブ(4WD)。</p>

今回、試乗したのはM440iのxドライブ(4WD)。

  1. 2
LINE
SmartNews
ビジネスの装いルール完全BOOK
星のや
  • Facebook
  • Twitter
  • Instagram
  • LINE
  • Facebook
  • Twitter
  • Instagram
  • LINE
pagetop