エグゼクティブにメンズメイクをお勧めする理由
さて、今回、男のひとり旅にここを選んだのは実は“嶋田ちあきメイクアップアカデミーのプロ講師による“パーソナルメイクレッスン付き宿泊プラン”に参加するため。オンライン会議の普及によって自分の顔といや応なく対峙する機会が増えた昨今。画面の横に自分の顔が映し出されてしまう。特にミドルエイジの男性はライティングさえ気にせず、そのままの状態で参加するので、なかなか厳しい見た目を呈している人が多い。
ボクのもとへもそんな悩める中年男性たちからひっきりなしに相談がある。「どうしたら、もう少しまともに映るのか?」「シミをなんとかしたい」「高性能カメラのせいでアラが目立って仕方がない」など、その悩みは深刻。このようにオンラインミーティング真っ盛りな状況で、ひそかに男性メイクが流行している。
「ええ?」と驚くオジサンたちも多いかもしれないが、たとえば「すっぴんではコンビニにも行けない」と言う男子大学生は決して珍しい存在ではないのだ。自分の見せ所を的確につかんでいて、さらに若くて肌状態のいい“メイク男子”と、何の対策もせず、ムダに老けてしまった素の自分をさらけ出す“すっぴんオジサン”が同じ画面で会議をすると考えるとかなりツライ。というわけで、人の上に立ち、人の前に出る機会の多いエグゼクティブほど今、メイクに興味津々というわけ。そして、もちろん上手なメイクはオフラインでも通用し、印象造りに役立つのだ。
普通の男性は、そこで壁にぶち当たる。「そもそもメイクで何ができるのか?」「今まで一度も習ったことがない」と。
そんなときに出合ったのが上記のプラン、これは迷える中年男性にもぴったりではないかと。こんな仕事をしているのでメイクの基本はまあ理解している。ボクとしては、少し攻めのメイクをきちんと習ってみたかったのでコントゥアメイクといって顔に陰影をしっかりとつけ、立体的に見せるメイク方法を教えてもらうことに。驚くような濃い色のチークで影を作ったり、白いハイライトをスッと鼻筋やおでこに入れたりしてミドルエイジの艶っぽさを出したいのだ。
メイクの様子とBefore・After(画像4枚)
ぜいたくなことに講師の方が付きっ切りで教えてくれる。コスメの種類、使う目的、自分に似合う適正な色、筆の持ち方、力加減……と徹底している。濃密な2時間はあっという間にすぎ、知らないことを学ぶことがこんなに楽しいとは。この年になるとあまりない貴重な体験。しかも自分のためだけに教えてくれるという優越感はビスポークのシューズを誂えているような高揚感にも似ている。
さて、上記の写真でビフォーとアフターをさらしたが、コロナ太りしてしまった顔も陰影がつき、彫りが深く見えないだろうか? 個人的にはかなり満足。