カーガイであるリマック氏いわく、クルマ好きによるクルマ好きのためのクルマとして設計されたという。そのため重量配分は最も操作性に優れると導き出された、フロント48対リア52に設定。ドライブモードにはドリフトモードを搭載し、前後のパワー配分をそれぞれ0から100の間で調整可能となっている。
パワートレインは、大容量の120kwhバッテリーによって駆動するモーターを前後に2つずつ搭載。量産史上最もハイパワーな最高出力1914ps、最大トルク2360Nmを発揮することで、0 – 100km/h加速は1.97秒、1/4マイル(0 – 400mスプリント)は8.6秒と量産車最速タイムを記録している。最高速度も412km/hとEVであるにもかかわらず高い水準を誇っている。
骨格にはモノコックフレーム構造を採用。前後の衝撃吸収部分を除くほぼ全てがカーボン製となっており、量産最大級のカーボン使用率となっている。そのため重量は200kg以下に抑えられている。制御には独自設計のトルクベクタリングを使用。過去のコンセプトワンでの事故を教訓とし、走行性能だけでなく安全性能にも抜かりのないセッティングとなる。
オリジナル要素がふんだんに取り込まれたエクステリアも見ものだ。ボンネットやボディ下部、テールライト部に搭載された電動空力フラップは、ペダル操作やハンドル操作、バッテリー温度から計算され、それぞれ調整される。また、エンジンがないためレイアウトの自由度も高く、フラップ自体のサイズも大型だ。エアインテークに通じるボディサイドの造形は、クロアチアが起源とされるネクタイをモチーフとしている。
ポルシェの他にも、アストンマーティンやケーニグセグなど、名だたるメーカーたちがパートナーシップを結んでいるリマック。世界のEVスポーツカーを今後牽引するハイレベルな技術が、余すことなく注ぎ込まれたネヴェーラは今後も注目の一台となるだろう。
価格は200万ユーロ(およそ2億6630万円)から、「GT」「シグネイチャー」「タイムレス」の3グレードをラインナップし150台の限定生産となる予定。東京を含む世界各国の輸入代理店でオーダー可能だ。
文・編集=iconic 写真=Rimac Automobili