普遍を知り、アップデートすることこそ洒脱の鍵
“軸をぶらさず、かつ立ち止まらない”。これがビームス クリエイティブディレクター 中村達也さんのファッション哲学だ。そのためには、ベーシックを基盤に装いや選びでいかに“今”を表現するかが肝要。基本も応用も熟知する中村さんに、その極意を学ぼう。
ラコステ「L.12.12」のカラーポロシャツ
「夏のスーツに色ポロを差す。’80年代の定番ですが、それが今新鮮」
――中村さん
一枚で着るのはもちろん、スーツやジャケットのインナーとしても重宝する夏のマストアイテム、ポロシャツ。これまでは台襟付きやニットポロなどドレス感のあるものが大人の定番だったが、今年は潮目が変わりそうだ。その背景には、昨今再注目されるフレンチアイビーの歴史があった。
LACOSTE(ラコステ)
1933年に誕生したポロシャツの元祖「L.12.12」。不朽のデザインに加え、極めて多彩な色バリエーションも魅力だ。「ビームスでも1970年代から展開し続けているロングセラーです。私が入社した’80年代を振り返ると、フレンチアイビー全盛のなかで皆競うように色バリエを揃えていました。近年とは違って、今回ご紹介するような綺麗な色のものもポピュラーでしたね。ここ数年間はニットポロが主流でしたが、久々にベーシックなラコステを見直したい気分です」各1万4300円(ビームス六本木ヒルズ)
[ UPDATE POINT ]
紺や白ではなく、あえて明るいカラーを選ぶ
コンサバな大人としては紺、白、黒、グレーあたりを真っ先に選びたくなるが、今の雰囲気を演出するなら明るいブルーや赤など綺麗な色を選ぶのがおすすめ。’80年代的なトラッドテイストがリバイバルする今、当時の定番だったカラーポロを選ぶことで、旬の気分を表現できるというわけだ。