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朝原宣治さん
全て本人私物

五輪選手を育てる夢と50歳で世界記録を狙う夢

丸山 選手とコーチの理想的な関係についても、お聞かせ願えますか?

朝原 今は勤務先の地域貢献活動の一環として陸上クラブを主宰しつつ、ときどきそのクラブに顔を出して小学生に教えたりしています。

丸山 指導する上で大切にされていることは何ですか?

朝原 子どもにスパイクを履かせて、スタートダッシュを何十本もやらせても飽きてしまう。遊びの要素を入れながら、身体を動かすことの楽しさを知ってもらうことが一番ですね。

丸山 走ることはあらゆるスポーツに繋がりますしね。そこから五輪を目指す選手もいるんですか?

朝原 陸上の活動拠点は学校の部活動がメイン。僕らのクラブでも素質のある子を預かりたいんですが、巡り合わせなので難しいところもあります。

丸山 ゴルフも素質のある子はすぐにわかります。歌と同じで最初からうまい子は、大抵伸びていく。

朝原 プロゴルファー志望の子たちはどうやって学ぶんですか?

丸山 練習場でインストラクターに教わる子が多いですね。ただ、人気インストラクターは多忙なので、そこはやはり巡り合わせが肝心です。

朝原 指導はマンツーマンですか?

丸山 個性を伸ばすためにはそうなりますね。僕も「丸山茂樹ジュニアファンデーション」を主宰しています。元々はレッスン形式でしたが、人数が増えて個別指導が難しくなったので、試合形式に変更しました。朝原さんは指導者であると同時に、今は現役の選手としても、活躍されているんですよね。

朝原 生涯スポーツの世界大会、マスターズ陸上に2018年から出場しています。酒の席で誘われてつい受けてしまったんですが、本当は出たくなかったんですよ。

丸山 なぜですか?

朝原 北京五輪から10年経っていましたし、出るからには負けられないですから。半年しか準備期間がなくて、肉離れを起こしながらも仕事の合間を縫って練習しました。

丸山 タレントの武井 壮さんらと出場して、400メートルリレーで見事金メダルを獲得されましたね。

朝原 翌2019年のマスターズ陸上では、同じくリレーで世界新記録も出しました。来年はちょうど50歳。50歳で100メートルを10秒台で走った選手はまだいないので、今はそれを目指して力まず楽しく練習していますよ。

丸山茂樹さん
ジャケット7万4800円、Tシャツ1万7600円、パンツ3万7400円、靴3万800円/以上パパス(パパス)

音楽やMCで盛り上げる陸上競技会のエンタメ化構想

丸山 陸上ファンを増やすために今後は何が必要だと思われますか?

朝原 興行として成立させることが大切だと思います。陸上大会は種目が多く観ていてわかりづらいことに加え、競技間の長い待ち時間も持て余しがちです。陸上の本場ヨーロッパの大会では、音楽やMCのトークで盛り上げるなどエンターテイメント化されていて、会場が満員になる程の人気がある。大会終了後、翌年のチケットが完売していることもあるんですよ。

丸山 海外のブックメーカーのように、合法的にベットできる仕組みも一案だと思います。僕はアメリカツアー時代に知らない人から「君のおかげで儲かった」と感謝されたことも。その試合で僕は大穴だったようです(笑)。

朝原 客層の変化はあるにせよ、ファンが増えるのは良いことですね。

丸山 注目を集めるスター選手も出てきていますし、今後の陸上界には期待大ですね。

[MEN’S EX 2021年7月号DIGITAL Editionの記事を再構成]
(スタッフクレジットは本誌に記載)※表示価格は税込み

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