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今月の1台 PEUGEOT 3008 GT HYBRID4_水を跳ねる

レスポンスの鋭さが加わった、しなやかで軽快な走り

「エンジンスタート」のボタンを押し、走り出す。ドライブモードで4WDを選ばない限り、通常のゼロ発進時はリアモーターだけで後輪を駆動する。バッテリー残量があるとよほどアクセルを踏み込まない限り、リア駆動のEV状態だ。急加速するとフロント側のICE(内燃機関)が目覚めて前車軸にも動力を供給するが、アクセルペダルを一定または離すと途端にエンジンは停止し、コースティングに入る。もう1段、シフトレバーを引いてBモードに入れれば充電回生が強まる。そのスムーズかつフレキシブルな動力切り替えを司るのは、フロント側のモーターと一体化されたアイシンAW製8速トランスミッション、つまり日本のサプライヤによるものだ。

リアシート下に積まれる13・2kWhという駆動用バッテリーの容量は、ボルボXC40やミニ・カントリーマンといった先行する欧州車のPHEVより大きいが、トヨタRAV4や三菱エクリプスクロスほどでもない。EVモード、つまり電気モーターだけで長い航続距離を実現しつつ、バッテリーによる重量増を抑えて走りも重視した、そんな選択といえる。今回は満充電状態からの試乗ではなかったが、現実にはモーターだけで50kmプラスアルファのレンジが見込めるだろう。

試しにワインディングでペースを上げてみた。プジョーとしては重たい1850kgの車重を心配していたが、約54:46と改善された前後配分に加え、荷重増に対応して採用されたリアのマルチリンク・サスペンションが予想を上回る仕上がりだった。ステアリングを切った時、ノーズの入りもいいが、間髪を入れず追従してくるリアの動きがすこぶるいい。また加速態勢に入る時、ICEだけなら生じるであろう刹那のラグを、リアモーターが埋めてあり余るほどの強烈トルクで押し出してくれる。この駆動レスポンスとシャシー自体の鋭さが、絶妙なのだ。4WDモードで攻めると少しアンダーステアの気も出てくるので、FRとFFと4WDを使い分けてくれるハイブリッドモードの制御がもっともバランスよく感じた。

4WDのPHEVになって、前車追従だけでなく再発進も自動化された最新ADASを備えても、モーターによるトップアップが鋭さや力強さとなってほとばしる点に、3008 GT HYBRID4最大の特長がある。プジョーらしいしなやかなで小気味よい乗り味は、PHEVでも健在というより、見事に進化を遂げていたのだ。



今月の1台 PEUGEOT 3008 GT HYBRID4(画像5枚)

<p>ボディサイズは全長4450×全幅1840×全高1630mmで、車両価格は565万円〜。</p>

ボディサイズは全長4450×全幅1840×全高1630mmで、車両価格は565万円〜。

<p>リアフェンダーに給電口が用意され、フル充電にかかる時間は出力3kWの充電機なら約5時間、出力6kWの充電器で2.5時間となる。</p>

リアフェンダーに給電口が用意され、フル充電にかかる時間は出力3kWの充電機なら約5時間、出力6kWの充電器で2.5時間となる。

<p>PHEV化されていても荷室の容量はガソリン車とほぼ同等で、積載量は520ℓ。</p>

PHEV化されていても荷室の容量はガソリン車とほぼ同等で、積載量は520ℓ。

<p>スマートフォンと接続ができ、ボイスコントロールも可能な「ミラースクリーン」を採用。</p>

スマートフォンと接続ができ、ボイスコントロールも可能な「ミラースクリーン」を採用。

<p>SUVボディであっても軽快な走りは健在。街中でも気軽にプジョーらしい乗り味が楽しめる。</p>

SUVボディであっても軽快な走りは健在。街中でも気軽にプジョーらしい乗り味が楽しめる。

お問い合わせ先

プジョー・コール TEL:0120-840-240



[MEN’S EX 2021年7月号DIGITAL Editionの記事を再構成](スタッフクレジットは本誌に記載)
※表示価格は税込み

<p>ボディサイズは全長4450×全幅1840×全高1630mmで、車両価格は565万円〜。</p>

ボディサイズは全長4450×全幅1840×全高1630mmで、車両価格は565万円〜。

<p>リアフェンダーに給電口が用意され、フル充電にかかる時間は出力3kWの充電機なら約5時間、出力6kWの充電器で2.5時間となる。</p>

リアフェンダーに給電口が用意され、フル充電にかかる時間は出力3kWの充電機なら約5時間、出力6kWの充電器で2.5時間となる。

<p>PHEV化されていても荷室の容量はガソリン車とほぼ同等で、積載量は520ℓ。</p>

PHEV化されていても荷室の容量はガソリン車とほぼ同等で、積載量は520ℓ。

<p>スマートフォンと接続ができ、ボイスコントロールも可能な「ミラースクリーン」を採用。</p>

スマートフォンと接続ができ、ボイスコントロールも可能な「ミラースクリーン」を採用。

<p>SUVボディであっても軽快な走りは健在。街中でも気軽にプジョーらしい乗り味が楽しめる。</p>

SUVボディであっても軽快な走りは健在。街中でも気軽にプジョーらしい乗り味が楽しめる。

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