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穏やかなハンドリングの奥には素直な挙動が隠されている

BMW 745e
6代目となる現行モデルは2015年に登場。2019年にマイナーチェンジされ、面積が40%拡大したキドニーグリルなどエクステリアを変更。最新の運転支援システムやインフォテインメントシステムを装備している。

最新の745eも飛びきり快適なサルーンだ。

エアサスペンションの設定は全般的に柔らかめで、たっぷりとしたホイールストロークを生かしてしなやかにショックを吸収する。このためハイスピードコーナリング中に深いバンプを強行突破すると、バンプストップラバーに触れたことがはっきりと感じられるほどスプリングレートはソフトに設定されている。同じ路面を最新のメルセデス・ベンツS400dで通過してもバンプストップラバーにタッチする感触は伝わってこなかったので、この一点だけを取り上げれば「7シリーズはSクラスよりも足回りはソフト」といえるかもしれない。

おかげで後席の快適性は極上の部類。とりわけハーシュネスの遮断が巧妙で、路面からゴツゴツとした振動が伝わってこないのは見事としかいいようがない。

BMW7シリーズの プラグインハイブリッドモデル
7シリーズのプラグインハイブリッドモデルは、2016年に2リッター直4ターボを組み合わせた740e アイパフォーマンスが登場、2019年のマイナーチェンジで3リッター直6ターボの745eへと代替わりしている。

直列6気筒ガソリンエンジンを中心としたプラグインハイブリッド・システムの仕上がりも高級車に相応しいもの。注意深く耳を澄ませればストレート6らしい鼓動がかすかに伝わってくるものの、基本的には極めてスムーズでエンジンノイズもほとんど耳に届かない。

フロントフェンダー左側にある充電口
フロントフェンダー左側には普通充電に対応した充電口が配されている。リチウムイオンバッテリーの容量は12kWh。

しかも、車載のバッテリーを満充電にすればエンジンを始動することなく50km近い距離を走行できる。その近未来的な走行感覚は新時代のラグジュアリーサルーンのあり方を示唆しているかのようだ。

もっとも、最初はただひたすらに快適なサルーンとしか思わなかった745eだが、ワインディングロードを繰り返し走っているうちに、そこはかとない感動が打ち寄せてくることに気づいた。ハンドリング自体のキレ味が特別優れているわけでもないのに、味わい深い喜びがジワジワと込み上げてくるのだ。その正体を突き止めようとしてさらに注意深く観察していると、穏やかなハンドリングのその奥に、極めて正確というか素直なクルマの挙動が隠されていることに気づいた。かすかなステアリング操作にも確実に反応してくれるので、狙いどおりの走行ラインに乗せるのは簡単だし、荒れた路面などで姿勢を乱しそうになっても思いどおりに修正できるのだ。

このコントロール性の高さがなにに起因しているのかしばらく思いを巡らせているうちに、ハタと気づいた。

BMW 745e
3リッター直6ターボの740i(1110万円)から6.6リッターV12ターボのM760Li xDrive V12エクセレンス(2613万円)までをラインナップ。ロングホイールベース(写真)も用意される。

50:50の前後重量バランス…。BMWの各モデルが備えているこの優れた資質が、正確で素直なハンドリングに大きく貢献しているに違いない。ちなみに、車検証のデータから算出すると745eの場合は49:51だったが、それにしても量産モデルとしては極めて正確な重量バランスであることには変わりない。

Sクラスにどれほど似せようとしても、結果的に顔を現わしてしまうBMWのDNA。これこそ7シリーズの本質といって間違いないだろう。

文/大谷達也 写真/ビーエムダブリュー 編集/iconic

<p>286ps/450Nmの3リッター直6ターボを搭載、モーターとの組み合わせでシステム最高出力394ps/システム最大トルク600Nmとされた。</p>

286ps/450Nmの3リッター直6ターボを搭載、モーターとの組み合わせでシステム最高出力394ps/システム最大トルク600Nmとされた。

<p>高速道路でステアリングから手を離すことのできるハンズ・オフ機能付き渋滞運転支援機能など、先進運転支援装備も充実している。</p>

高速道路でステアリングから手を離すことのできるハンズ・オフ機能付き渋滞運転支援機能など、先進運転支援装備も充実している。

<p>レザーやウッドを用いたラグジュアリーな室内空間。内外装はオーダーメイド・プログラム(BMW INDIVIDUAL)で、ユーザーの好みに合わせて仕立てることもできる。</p>

レザーやウッドを用いたラグジュアリーな室内空間。内外装はオーダーメイド・プログラム(BMW INDIVIDUAL)で、ユーザーの好みに合わせて仕立てることもできる。

<p>スタンダードホイールベースの後席。室内の広さは変わらないが、745eはラゲージ容量が通常モデルより95リッター小さい420リッターとなる。</p>

スタンダードホイールベースの後席。室内の広さは変わらないが、745eはラゲージ容量が通常モデルより95リッター小さい420リッターとなる。

<p>ロングホイールベースの後席。後席は3座仕様だけでなく、独立式の2座シートも選択可能に。</p>

ロングホイールベースの後席。後席は3座仕様だけでなく、独立式の2座シートも選択可能に。

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