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長く着られるマイ定番をオーダーするなら?(画像3点)
No.1 スキャバルのタイタン 廃番から復活したモヘアの傑作 「高混率モヘア生地として有名なこちらの生地は、かつて廃番になってしまったものを復活させ展開。通常、3PLYモヘアの生地は糸の価格の高さゆえに、色柄のバリエーションを豊富に展開しづらいのですが、こちらはクラシックなストライプ柄なども用意し、色展開も非常に豊富」
No.2 ハーディー ミニスの3PLYフレスコ フレスコ生地の名作中の名作 「上で暑がりの方へのおすすめとして紹介した『フレスコライト』の現代アレンジ元となる生地がこちら。フレスコと言ったら、こちらと言われるほどの名作で、重厚な英国らしい生地感がなんといっても魅力。長く着る、マイ定番を仕立てるにはうってつけな生地でしょう」
No.3 サヴィルクリフォードの2/52トロピカル 世界基準の王道 「サヴィル ロウのテーラーたちが最も定番として用いる52番双糸を用いた平織り生地。いうなれば本場のテーラーたちが好むインターナショナル基準で定番と言えるでしょう。本格派のスーツを仕立てるなら、このような世界基準での王道生地こそ、おすすめしたいですね」
趣きのあるサマースーツ&ジャケットを仕立てるなら?(画像4点)
リネンなら マギーのアイリッシュリネン アイリッシュリネン100%の本格派 「アイリッシュリネンギルドのメンバーとして認定されたアイリッシュリネンを100%用いたこちら。横糸に低番手の糸を使用することにより生地表面に織組織りが見られて、より味わい深い表情になっています。本格リネンといったら、こちらといっても過言でない生地です」
コットンなら W. Billの11オンスコットン リアルに着やすい味わいコットン 「通常のコットン生地はヘビーウエイトになりがちで、着用時の暑さや生地の風合いやこなれ感が出るまでにかなり着込む必要があります。ですがこちらは11オンスと日本の気候でも着やすく、生地も身体に馴染み、コットン特有の味わいあるあたりが生まれやすくもなっています」
シアサッカーなら アンジェリコのウールコットンサッカー ウールの特性を取り入れ改良 「ウールを混紡することで、通常のコットンシアサッカーより柔らかく、吸湿性も備えた高温多湿な日本の暑い季節に最適な生地。白地にストライプのコットンシアサッカーは、汗染みにも気をつけないといけませんが、こちらはケアがより楽なのが魅力です」
サマーツイードなら カイノックのサマードネガル 夏に楽しめるドネガルツイード 「冬物の定番であるドネガルツイードを夏でも楽しめないものかと、コットン、リネン、シルクを混紡することで夏物へとアレンジしたのが本作。目付け280gと軽く、ジャケットは勿論、ナイロンを入れて耐久性も高められているので、より着やすさが増した生地です」
鏡バイヤーの激推し2強はコレだ!(画像2点)
ジャケット14万円〜〈オーダー価格〉/シゲアキ ナオイ、シャツ8万9000円/アンティカ カミチェリア ロンバルディ、タイ1万8000円/アット ヴァンヌッチ、パンツ5万9000円/ロータ(以上日本橋三越本店)
サヴィルクリフォードのウールリネン 日本の夏にリアルに着られる英国生地 「実は日本の夏にリアルに着られる英国テイストの生地というと、本国自体での生産がほぼありませんでした。そこで、シワになりにくく軽さもあるウールリネンを平織りで、生地の味わいを保ちつつ、柄行きなども英国らしさを表現して作ったのが本作。ありそうでなかった、自信作です」
ジャケット17万円〜〈オーダー価格〉/テーラー ケイド、ポロシャツ4万5000円、デニム5万4000円/リヴェラーノ&リヴェラーノ(以上日本橋三越本店)
フォックスブラザーズのウールリネンマドラス ダークマドラスの最高傑作
「ウールのしなやかさとリネンの清涼感の良い所取りした生地ですが、最大の魅力はなんといってもこの色柄。ダークマドラスの色合いが洒落てます。さらに小ぶりだと趣がなくなりがちなマドラスを、あえて大柄で別注。これ以上大人のサマージャケットに合う生地はないでしょう」
[Guide Person]
Profile 日本橋三越本店 鏡 陽介さん
日本橋三越本店の、紳士服フロアのオーダーバイヤーを務める、オーダー部門の司令塔。世界各国のテーラーや生地メーカー、サプライヤーからの信頼も非常に厚く、様々な種類の生地への造詣が深い。
[MEN’S EX Spring/Summer 2021の記事を再構成]
※表示価格は税抜き