「立ち飲みにフェスに古着、意外な素顔を垣間見ました」(丸山さん)

野口 見えないものを信じているからか、そういう体験は多いですね。夜中に金縛りに遭ったり、話し声や非常ベルが聞こえたりしたことも。すると、決まって結果がいいんです。
丸山 僕の場合、実話ですが、非常ベルに悩まされたことはありましたね。1998年に初めてマスターズに出場した際、初日はトップだったんですが、夜中になぜか宿泊先の非常ベルが鳴り止まず、その対応に追われて一睡もできなかったことがありました。
野口 結果はどうだったんですか?
丸山 翌日から怒涛の3パット11回。木っ端微塵になりました。ただ、インタビューではそのことについては一切触れませんでしたが。
野口 言い訳されないところが、かっこいいですね。
丸山 僕も白いクマがいなくなって優勝したかったなあ。
野口 実は今日、金メダルを持ってきたんですよ。
丸山 おー! 触ってもいいですか?
野口 どうぞ、どうぞ。
丸山 思ったよりも小ぶりですが、重みもしっかりあります。少し変色しているところも歴史を感じさせますね。
野口 あとで是非、メダルに丸山さんのサインを。
丸山 とんでもない!
野口 冗談です(笑)。自宅ではジュエリーボックスの傍らに、大切にしまっていますよ。
丸山 僕はトロフィーや盾といった記念品に無頓着で、行方知れずになったまま。唯一愛用していたパターをリビングに飾っているぐらいです。
上海では白酒をコップで。実はいける口なんです
丸山 現役時代のオフは、どう過ごされていたんですか?
野口 京都に住んでいた頃は、駅前や河原町へ買い物に出かけたりしていました。不器用だったので、お洒落や恋愛など同時に多くのことはできませんでしたね。
丸山 集中するときは、何かを犠牲にしないといけないですよね。
野口 そうですね。やはりきちんと集中して結果を出すことが、監督やコーチの願いだったようです。
丸山 僕の周りにもいました、練習を疎かにして遊んでしまう人が。全国から優秀な選手が集まる大学だったんですが、特に上京組は眠らない街・東京が楽しくて仕方がない。見かねて忠告したこともありましたね。
野口 丸山さんのような仲間がいたらありがたいですよね。私の場合は監督とコーチのおかげで、頂点に立てたのかなと思います。