大柄なBセグSUVなのに走らせやすい

試乗車のパワートレインは、直列4気筒1.3リッターのTCe140psという、ダウンサイジングというよりライトサイジングのパワーユニットに、7速EDCの組み合わせ。ちなみにキャプチャーにはBセグメントでは珍しく、本国ではPHEVも用意される。コンセントで充電できるか否かは、動力源たる電気の脱CO2性に関わる。よってガソリンを燃やした一部しか回生しないストロングまたはマイルドハイブリッドと、欧州では思い切り線引きが意識されるところなのだ。
TCe140psは確かに低回転から力強く、市街地からバイパスや高速道路まで、過不足ない。7速EDCやアイドリングストップ機構とのコンビネーションにも、不快な振動やつながりのショックはなく、穏やかそのもの。ハッチバックのルーテシアに上下動の抑え込みは一歩譲るが、カングーほど長閑でもなく、SUVルックの割には低重心で抑えの利いたロール感は、長時間、山の中を走っていても疲れにくい。それでいて街中や混んでいるところでは、SUVクロスオーバーならではの視線の高さによる快適さも、確かにある。
ただし、こうしたSUVの高さゆえの快適さは、取り回しとトレードオフのところがあるが、前方ビューカメラがこのクラスで備わるのは立派。ボンネットの死角に入った段差に無用の冒険をさせられることもなかった。