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「ローファーのように履ける寛ぎ感が最大の魅力」
(中村さん)

ローファーのように履ける寛ぎ感が最大の魅力
裏地を省いた柔らかなアッパーもデザートブーツの特徴。革靴でもスニーカーのように気楽、それでいてジャケットにも合う上品な佇まいなのが長く愛される理由だ。

M.E. 今回はデザートブーツをテーマとしてご提案いただきました。読者にとってはとても馴染みのある定番アイテムですが、トピックとして注目するのは久々な気もしますね。

中村 そうですね。なぜ今、デザートブーツなのか?というところからお話ししましょう。ここ2〜3年の間、ビットローファーやベルジャンシューズといった軽く柔らかな靴が人気を博してきましたよね? 今季も引き続き、リラックスして履ける柔らかい靴を求めるムードがあるのですが、その流れに添った秋冬ならではの靴は何かと考えたときに、デザートブーツがぴったりはまるというわけなんです。

西口 ですので、我々としてはスエードチャッカではなく、デザートブーツに注目しているということですね。一見よく似ていますが、柔らかなクレープソールとアンラインドのアッパーによるリラックス感がポイントというわけなんです。あとはマッドガード(9/13公開予定に記事にてご紹介)なども同じノリで活用できる靴といえますね。

M.E. なるほど。ちなみにデザートブーツは、いつごろから定番アイテムとして愛されてきたのでしょうか?

中村 ’60年代のアイビーブームの頃には既に広く知られていて、’80年代のフレンチアイビーの頃は、コーデュロイパンツやリーバイス、ミリタリーパンツなどによく合わせていました。その後も消えずに、’90年代後半以降にイタリアンクラシック全盛時代の到来後も、度々盛り上がりを見せてきました。

西口 今季はコーデュロイやミリタリーパンツといった、デザートブーツによく合うパンツが旬を迎えていますので、ある意味デザートブーツも一緒に注目されて当然ということですね。

「上品な服に合わせて抜け感を加えるのがおすすめです」
(西口さん)

M.E. ちなみに西口さんにとってデザートブーツはどんなアイテムですか?

西口 初めて購入したのは20代のころでしたね。英国製のクラークスで、こげ茶のものを買いました。当時はオールデンとか大人のカジュアルシューズに興味が出てきたころで、クラシックカジュアルのマストということでデザートブーツに決めた記憶があります。

中村 そういう入り方は昔から同じですね。自分もビームスに入って最初のころに揃えたのがウォークオーバーのホワイトバックス、ダーティバックスとクラークスのデザートブーツでした。手頃な靴だけどテーラードジャケットにも合って、ドレスクロージングの足元における入門の一足という位置づけだったんですよね。

M.E. そんな歴史があるんですね。では今、デザートブーツをスタイリングするうえでのポイントはありますか?

西口 カジュアルすぎる服より、上品なコーディネートで活用するといいのではないでしょうか。全体はエレガントなんだけど、足元はリラックスしているというバランスですね。あとは、旬のフレンチを意識してブラックスエードのデザートブーツを選ぶというのもひとつの手かと思います。

中村 あまり難しく考えず、気楽に履いていただくのが一番だと思います。昔は秋冬専用の靴とされていましたが、今は春先まで履いてもよいのでは。2アイレットとアンラインドで脱ぎ履きもしやすく、ローファー感覚で活用できるので、一足揃えておくと何かと便利だと思いますよ。

※表示価格は税抜き
[MEN’S EX 2020年10月号の記事を再構成](スタッフクレジットは本誌に記載)

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