若い世代や社会で活躍する女性にも共感してもらいたい
7月12日、東京・有明に「Porsche NOW Tokyo」というポップアップストアがオープンした。2021年8月31日まで約1年の期間限定営業だ。
この「ポルシェナウ」とはいまポルシェがグローバルに展開する期間限定のリテールコンセプトだ。ドバイ、アテネ、台北、シュトゥットガルトに次いで、日本に初めて導入されたものだ。今後は、名古屋や大阪などの都市部でもオープンを予定しているという。
なぜいまポルシェがカジュアルなポップアップストアをオープンするのか。ポルシェジャパンのミヒャエル・キルシュ社長に聞いてみた。
「ポルシェ初の電気自動車タイカンの導入にあたって、新しい顧客との接点が必要という課題がありました。年に2回、各国の社長が集まるミーティングが行われているのですが、そこでこれからもっと若い世代の人たちや社会で活躍する女性にもポルシェが描くストーリーに共感してもらいたいと考えたときに、これまでのようにディーラーへ足を運んでくださいというだけでは難しいだろうと。では、こちらからお客様のいる場所に出ていって、新しいことに挑戦してみようと決めたのです」
いわゆるミレニアル世代では、所有からシェアなどクルマに対する価値観も変容してきている。そのことについてキルシュ社長に尋ねてみる。
「たしかにそういった人たちを説得することは難しい。ポルシェをよく知らない人たちにその良さを証明するのは難しいことです。わたし自身、若いころにVWビートルに乗っていたのですが、ポルシェのディーラーは敷居が高くて入りづらいと感じていました(笑)。若い世代に人たちは、目的を探しているのだと思います。シンパシーを抱くことができる、そういうものを選ぶ。そのために必要なのは、substance、本質が伴っているということです。ブランドは夢を語り、共感を得て、手にとってもらうわけですが、すぐに壊れたり、質がともなわないものはユーザーを失望させ、二度と買ってもらえなくなる。ポルシェはがっかりさせない、その質の高さに自信があります。生活の取り込んだときに、なるほどなと納得してもらえるはずです。walk the talkという言葉がありますが、まさに有言実行なのです。「Porsche NOW Tokyo」はこれまでポルシェに接点のなかった人たちにブランドを知っていただく、そのためのきっかけづくりなのです」