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人気急上昇!自信をつけていく日々

事務所にも問い合わせが殺到したのでは。

そうでしたね。「あのCMに出ているヤツは誰だ」という問い合わせがたくさん寄せられたようです。「レコードを出してみないか」「ドラマに出てみないか」という話も持ちかけられるようになり、無名の新人モデルだった僕の身辺が急に騒がしくなりましたね。

どんなオファーがきましたか。

たとえば、映画監督の篠田正浩さんが『卑弥呼』という作品で使ってくださいました。岩下志麻さん演じる卑弥呼の弟役です。使われている言葉も難しくて一回では理解できず、撮影でも怒られっぱなし。自分が未熟なために消化できないまま撮影が終わってしまったのが少々悔やまれました。でも、役者として仕事ができる機会を与えていただき、感謝してもしきれません。

そこから、色んな巨匠たちとお仕事をされるようになった。

篠田監督の『卑弥呼』を皮切りに、出目昌伸監督の『神田川』『沖田総司』、岡本喜八監督の『青葉繁れる』、今井正監督の『あにいもうと』、市川崑監督の『火の鳥』などなど……名だたる監督たちとご一緒させていただきました。今にして思えばこれほど幸せなことはなかったと思います。まさに奇跡のように恵まれた「出会い」の積み重ねでした。

テレビからもお声がかかったのでは。

そうですね。24歳の時にはNHKの大河ドラマにも出演させていただけるようになりました。『風と雲と虹と』です。加藤剛さん、緒形拳さんと共演し、私の役どころは加藤さん演じる平将門の側近の役でした。この頃、演じることの喜びがどんどんわかってきて充実感を感じ始めるとともに、自信をつけていきました。

資生堂のCMでデビューされたのが1970年。‘70年代はトップをひた走っていたということですね。そして、‘80年代に入って最初の映画があの大作『復活の日』。

オファーをいただいたのは公開となった1980年の二年前でしたが、当時、映画界を席捲していた角川映画からのお誘いでしたから興奮しましたね。南極をふくめ海外ロケだけで半年以上、総製作費25億円というスケールの大きな作品でした。オリビア・ハッセーさんなどさまざまな国籍の役者さんたち、海外スタッフとの仕事は僕にとって大きな衝撃となりました。

角川春樹さんとは『汚れた英雄』でまたお仕事を。

角川春樹さんはスケールの大きな方でした。「お前が監督を決めていいよ」と言われたときには面食らいましたが(笑)とても良い経験をさせていただきました。

p130-131
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