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絶賛の理由2:単純にモノがいい

多くの人がポルシェ911を絶賛する第2の理由は、単純な話ですが「モノがいいから」です。

「モノがいい」というのも小学生並みの語彙で恐縮なのですが、本当にそうなのだから仕方がありません。

歴代のポルシェ911というクルマは、前述したとおり「お買い物にも使えるクルマ」であることは間違いないのですが、とはいえさすがにそのへんのミニバンとかと違って「あくまで超ハイクオリティなスポーツカーである」というのが基本ですから、使われているパーツの強度や精度、あるいはそれを組み付けるうえでの精度、はたまたそもそもの設計思想が、そこらを走っている300万円級あるいは500万円級の乗用車とは、すべての感触において「レベルが違う」といった感じなのです。

これは、一度試乗すれば一目瞭然というか「一乗瞭然」なのですが、なかなかそうもいかないため、別のものでたとえてみましょう。

ポルシェ911の感触と、そのへんの300万円級のクルマとの感触の違いは、「3980円のジャケットと、39万8000円のジャケットぐらい違う」とイメージすれば、当たらずといえども遠からずでしょうか。今度、どこかの洋服屋さんで高いほうを羽織ってみてください。その感触が、ポルシェ911の感触とだいたい同じです。

絶賛の理由3:スポーツカーながら“ワン・アンド・オンリー”である

そして人々がポルシェ911を愛する第3の理由は、「だが決してピュアスポーツカーではない」ということであるはずです。

とにかく速く、そして美しく走ることのみを目的としている、例えばフェラーリのような第一級のスポーツカーも、ポルシェ911と同様に「いっぽんどっこ」であり、そして「モノがいい」という特質を備えています。

しかし、「それでいてフツーに買い物とかにもガンガン使えるし、雨の日もぜんぜんフツーに乗れる」という第一級のスポーツカーは、筆者が知る限りポルシェ911以外には存在しません。いわゆるひとつのワン・アンド・オンリーなのです。

他にもいろいろあるかもしれませんが、根本的なところでは以上3点、つまり「何十年間も基本コンセプトがブレてないのがカッコいい」「とにかくモノがいい」「その気になれば実用車としても十分使える」というのが、ポルシェ911というクルマの“愛される理由”です。

次回はそんなポルシェ911の「具体的な買い方」を、まずは初期の空冷エンジン搭載モデルからご説明したいと思います。



文/伊達軍曹 編集/iconic

<p>1964年に登場した911の初代モデルとなるタイプ901。ファンからは「ナロー」と呼ばれている。</p>

1964年に登場した911の初代モデルとなるタイプ901。ファンからは「ナロー」と呼ばれている。

<p>1974年に登場した2代目となるタイプ930。</p>

1974年に登場した2代目となるタイプ930。

<p>1989年に登場した3代目のタイプ964。</p>

1989年に登場した3代目のタイプ964。

<p>1993年登場の4代目、タイプ993。911で最後の空冷モデルとなる。</p>

1993年登場の4代目、タイプ993。911で最後の空冷モデルとなる。

<p>1997年にモデルチェンジした5代目となるタイプ996。水平対向エンジンは水冷へと変更された。</p>

1997年にモデルチェンジした5代目となるタイプ996。水平対向エンジンは水冷へと変更された。

<p>2004年に登場した6代目のタイプ997。</p>

2004年に登場した6代目のタイプ997。

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