それでは、今回は、3PBジャケットのスタイリングについてお話したいと思います。まず、私が着用している緑色のリネンジャケットですが、これは量産に入る前の最終サンプルでした。私は洗濯機に入れて洗ったので、色が少し落ちています。 もともとは、もっと鮮やかな色味がありました。3PBのいいところは、様々な種類のシャツと合わせられるところです。 Tシャツでもいいし、バンドカラー、襟付きのシャツ……など。なぜかと言えば、３PBじたいの襟が鎖骨くらいの低い位置にあるので、どんなシャツを合わせてもジャケットよりも上に出ることになり、スジの通った見た目になるからです。
それでは、いくつかのコーディネートを見てみましょう。これは、2代目の３PBですね。ワイドなチノパンと合わせます。 これは、私が着ているリネンよりもだいぶ厚いコットンキャンバスです。日本で、帆布バッグメーカーを探していたときに見つけた生地です。生地厚の帆布を作っているメーカーが、このようなジャケットにぴったりの、少し薄手の生地も手がけていることを知りました。
素敵なタバコ色ですね。カジュアルな着方をお見せします。ハワイに休暇に行った際に手に入れたアロハシャツと、ゆったりしたチノパンと、白いスニーカーを合わせます。すごくいいコーディネートだと思います。大きなカラーブロック、シャツに強い色やディテールがあり、ニュートラルな色を仕上げに加えています。
それでは次の例をお見せします。前回、3PBは生地を変えて色々と楽しめるというお話をしましたが、これは、自分用に作ったサンプルで、非常に興味深い生地を使っています。10年ほど持っていたのですが、ぴったりの使い道がなかなか見つけられないなと思っていました。古い着物の生地です。おそらく、コットンか、綿麻の混紡だと思います。古い着物の匂いがします。良くも悪くも、着物の生地は幅が狭いので、ちょうどいい商品がなかなかありませんでした。たくさんの部品を縫い合わせてつくるタイプの服でなければならなかったからです。
アーモリーオリジナルの、ボタンダウンポロシャツと合わせます。濃淡のブルーで、トーンオントーンですね。そして、下はホワイトデニムです。意図的に、寒色のコーディネートにしました。すごく夏らしいですね。靴は、茶色のタッセルローファーもかっこいいですし、お恥ずかしながら今履いている靴を脱ぎますけれど、タンカラーのローファーもいいですね。
タッセルローファーは、アーモリーオリジナルの「ハドソン」モデルで、ノーズが短いローファーです。そしてこちらは、オールデンのレジャーハンドソーン、私どものショップを含め、多くのお店で取り扱いがあります。とにかく素晴らしいカジュアルローファーですから、まだ試したことがなかったら、ぜひ履いてみていただきたいです。
さて、次に参りましょう。3PBで、スマートカジュアルな着こなしもできると前回お話しましたが、その１例をお見せしますね。下にグレー、上に紺という、警備員ルックにします。この３PBは、中厚手の紺のコットンキャンバスです。香港で、そろそろ夏になりますから、白いコットンリネンのボタンダウンシャツを合わせます。
もしかしてお気づきかもしれませんが、フォーマル度が上がるにつれて、襟の位置も上がってくるんですよね。面白いですね。シャツの襟が首の真ん中くらいまであり、顔にワクをつけてくれるし、少しばかり存在感や背の高さが増すような雰囲気になるので、今までお見せしたコーディネートよりも、スマートカジュアル寄りになります。ちょっと暖色を入れたいので、オリーブグリーンのネクタイをします。グレーのウールトラウザーズで、かっちりした感じになりますね。この靴はすごく良い相性だと思います。こういうスタイルのためにつくられた靴です。
アーモリーオリジナルの「ブロードウェイ」ローファーです。言ってしまえば、すごくプレーンなローファーです。なんの飾りもついていないし、室内履きにも似ていますが、ちゃんとした底がついているので、毎日履いても長年保つようになっています。こんな感じのちょっと愛嬌のあるスマートカジュアルには、ぴったり合いますよね。以上、4パターンのスタイルをごご紹介しました！
