クルージングが気持ちいい。4気筒でも必要十分
気になる4気筒マスタングの最新モデルに乗ってみた。京都の老舗輸入車ディーラーで長年フォードを扱ってきた日光社が独自のルートで輸入した個体である。
モダンになったエクステリアに比べて、インテリアには未だにアメリカ車らしさを色濃く残している。流行りのドライブモード選択も備わっており、モードを変えるとメーターのグラフィックスが変わる仕掛けだ。トラック(サーキット)モードを選ぶと三色トリコロールのリボン型回転計のグラフィックが現れた。アメ車好きにはたまらない演出だろう。
アメリカ生まれの新車らしい匂い(カリフォルニアのレンタカーでよく嗅ぐ匂いだといえば想像できるだろうか? )に包まれながら、走り出す。タイヤの存在をはっきりと感じる出アシはアメリカ車に特有のライドフィールでもある。道が荒れていたりすると最初は妙にバタバタとする印象だけが残って、硬くてもダンピングにきめ細やかさのある欧州車とはまるで違う感覚だ。
けれども時間が経つにつれ気にならなくなってくるのだから、不思議である。これもまた実にアメ車らしい(そして実は昔のイギリス車にもそんな傾向があった)点で、タイヤ、シャシー、ボディ、シート、ドライバーが一定時間経過後のモデルに固有のとある速度域からシンクロし始める、とでも言おうか。
4気筒ではモノ足りないかな、とも思ったが、10速ATを採用したこととトルク性能も向上したことで、走り出しは十分に力強かった。マッスルカー級とは言えないまでも、演出された迫力のサウンドとともに気持ちよく伸びる加速を存分に楽しめた。開発陣が目標としたグローバルなドライブ質感を達成していると思う。
やはりというべきだろう。100〜120km/hあたりでのクルーズが最も気持ちよかった。実は京都でマスタングに乗る直前に、カリフォルニアでも同じ後期型の4気筒コンバーチブルに試乗していたのだが、幌を開けさんさんと輝く日光を浴びながら60〜70マイル/hあたりでフリーウェイを流していると、サイコーにご機嫌な気分になったもの。ちなみにそのときの燃費が14〜15km/lで、GTスポーツカーとしてならばグローバルで通用する成績だと思う。
右ハンドルマスタングが正規輸入車として上陸できなかったことは残念でならない。けれどもマスタングファン、アメ車ファンは諦めないで欲しい。アメ車を得意とする日光社のような専門ディーラーが輸入してくれているのだから。
文/西川 淳 写真/益田和久 編集/iconic






