パワフルかつ燃費がいい、進化したハイブリッド
試乗車はハイブリッドの中間グレードのG、駆動方式はFFだった。エクステリアは、鋭い眼光のヘッドライト、抑揚のあるリアフェンダー、そしてリアまわりを絞り込み、テールランプ周辺をブラックアウトするなど、筋肉質な印象を与えるものだ。室内もサイドウインドウの形状からもわかるように前後席ともにタイトな雰囲気だ。
軽量化された新プラットフォームの効果もあって、乗り味は先代と比べても明らかにスポーティになった。足回りももう少しソフトでもいいかもと思うくらいしっかりしている。コーナリングも大きくロールすることなく、クイックに曲がる。
そして新しいハイブリッドは、パワフルかつ燃費がいい。ドライブモードスイッチで、「ノーマル」、「パワー」、「エコ」の切り替えが可能だが、特にパワーではアクセル操作に対して鋭く反応する。それでいながらすごいのが、36.0km/L (WLTCモード)という燃費だ。市街地をゆっくりと流しているぶんには、燃費計を見ていても、30km/Lくらいは優に走る。
また、いまやBセグメントであってもADAS(先進運転支援システム)は欠かせない装備だ。ヤリスは「トヨタセーフティセンス」を全グレードに標準装備する。単眼カメラとミリ波レーダーの組み合わせで、歩行者や自転車も検知し衝突回避、被害軽減ブレーキもついている。
ちなみにヤリスの受注台数は、2月の発売から1カ月で約37000台と好調に売れているという。欧州勢に追いつけ追い越せで性能を磨いた、走って楽しいコンパクトカーが日本でも支持されるようになってきたということだろう。
文/藤野太一 撮影/郡大二郎 編集/iconic