最旬「パネルタイ」着こなしの注意点は?【ビームス中村さん&西口さん対談】

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「“柄の位置”に注意して選ぶのがポイントです」
(中村さん)

M.E. 昨年あたりから注目されはじめ、今季はいっそう多くのブランドから提案されているパネルタイ。思い返せば、これを真っ先に提案していたのがビームスさんでしたよね。

西口 そう自負しています。2019年の春夏から買い付けていましたね。

M.E. なんとなくヴィンテージな趣を感じさせる柄ですが、ルーツはどういったところにあるのでしょうか?

中村 古くは、1920年代に欧州で人気を博した柄とされています。その後も何度かブームになって、米国でも広く着用されていた時代があったようですね。『シアーズ・ローバック』など当時の通販カタログにもパネルタイを見ることができます。日本で流行したのは’60〜’70年代でした。ですから、私より上の世代の方が昔よく締めていたというイメージがあります。

西口 私の世代にとっては非常に目新しい印象ですね。例えば定番的な配色のストライプでも、柄が不規則に出るのでとても新鮮な顔つきになります。ベーシックなコーディネートが好きな方がアクセントとして取り入れるのに絶好のアイテムだと思いますよ。私自身も最近よく活用しています。ちなみに余談なのですが、パネルタイはある意味とても“贅沢”なネクタイだということをご存じでしょうか?

M.E. というと?

西口 このような柄を表現しようとすると、生地の“取り都合”が悪くなってしまうのです。裁断前の生地でご説明しましょう(下写真)。通常この大きさで2本のネクタイができるのですが、パネルの場合1本ぶんしか生地が取れない。柄が不規則ゆえ、大剣部分に使える箇所が決まってしまうためですね。

パネルタイ生地

普通のタイより贅沢!? パネルタイはこうして作られる
こちらが1パネルの生地。パネルタイの柄を表現するためには中央を大きく取らなければならないため、贅沢に生地を使う必要があるのだ。

「ベーシックスーツのアクセントとして絶好のアイテム」
(西口さん)

M.E. なるほど、確かに贅沢。より欲しくなってきました(笑)。ところで、気になるのが選び方や着こなし方ですが、大切なポイントはありますか?

中村 パネルタイは無地の部分と柄の部分が分かれているわけですが、どの位置に柄が配されているかによって締めたときの印象がかなり変わります。例えば下のほうに柄が集中しているものは、ジャケットを着ると無地タイに近いVゾーンになりますし、上のほうに柄が配されているものはアクセント効果が高くなります。ですので、お選びになる際は柄の位置をよく確認するとよいでしょう。私も今回のスタイリングでは、柄の位置に注意しながらコーディネートを組みました。

西口 スーツにもジャケットにも合うネクタイですが、個人的には、ダブルブレストよりもシングルブレストに合わせることが多いですね。理由はシンプルで、ダブルだとVゾーンが狭いぶん、パネルタイならではの柄が隠れてしまうからです。ただ、最近はダブルのフロントボタンをあえて外すスタイルも出てきていますから、ダブルにパネルタイを締めるならそういった着方をしてみるのも手かもしれませんね。あとは、ストライプスーツと合わせるときは注意が必要で、しっかり計算しないと柄が喧嘩してゴチャっと見える危険が。無地のスーツならまとまりやすいですよ。

M.E. なるほど勉強になります。パネルタイの今季的な傾向はありますか?

西口 黒ベースのものが新鮮ですね。紺、グレースーツにも合わせやすいのも魅力です。それと、ストライプ以外のパネルタイも目新しいですね。

中村 クラシックな柄でありながら、Vゾーンのアップデート効果が高いのがパネルタイの魅力です。手持ちのスーツやジャケットに足すだけで、簡単に新鮮な装いを築けますよ。



※表示価格は税抜き
[MEN’S EX 2020年5月号の記事を再構成](スタッフクレジットは本誌に記載)

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