拝見! エグゼクティブの仕事部屋
よく「部屋のありさまは、その人の頭の中の状態を表す」などと言ったりする。働く場所、スタイルも多様化する昨今、ビジネスエグゼクティブ達はどんな空間で仕事をしているのか。彼らの仕事場所や道具に目を向けることで、仕事へのこだわりや哲学が見えてきた。
“自分で設計した空間、作った小物に囲まれて”
[道明/代表取締役社長 道明葵一郎さん]
Profile
早稲田大学理工学部建築学科卒業。2006年一級建築士事務所を設立、’12年より現職。地元に根差す若手企業トップとして地域イベントに積極的に関わる。
創業360年の老舗らしからぬモダンな外観の本社ビルを持つ同社。3年前、道明さんが社長に就任した際、自ら設計したものだ。
「アーカイブ、染色、デザイン、製作と、組紐造りに関わるいくつかの工程を各階に配置し、フロアを下るごとに徐々に組紐が完成していくような建築としました。企画やデザインなども行う私の自室も、その一部です」。
社長室は、オフィス内から壁で仕切られつつも植栽が繁るテラスに向かって解放されており、オープンとクローズのバランスが仕事の集中力を高める。壁面を飾るのは、活動に協力するアート施設で出会った若手作家の作品だ。
「自分の感性に合う作品を一つずつ増やしています。東京のモノ作りの発信地となっているエリアに育ち、私自身も子どもの頃からずっと手を動かして何かを作ってきました。仕事としてきた建築や組紐もそうですし、身の周りの革製品は自作しています。モノ作りの楽しさを感じられるこの部屋は私にとって大切な空間です」。