2019年6月、知られざるアーカイブ生地を求めて、ビームスバイヤー陣がフランス・ニースに飛んだ!
話は去年の夏に遡る。6月のピッティ・ウォモの後、ビームスのバイヤーチームが南仏・ニースにあるブリューワー本社まで、2020年春夏コレクションのための新しい生地を膨大なアーカイブから発掘しに行くことになった。いざ、本社に行ってみると、出てくる出てくる、アーカイブデザインのお宝たち……。これには、バイヤーの皆さんも大興奮! 時を忘れて、真剣に今のスタイルに合いそうなデザインをセレクトしていった。
1970年~80年代のヴィンテージアーカイブは、
他ではなかなか見られない“フレンチな柄”の宝庫だった!
「私たちのブランドは、フランスならではの明るいネイビーブルーを中心に、イタリアのネクタイブランドにはない、独特な色彩やパターンのアーカイブを膨大な数、持っているのが強みです。それらのデザインを生かすには、素材と作りのコンビネーションが重要になります。ですから、生産はイタリアの最高の工房と組んで、1世紀前から受け継がれる旧織機で丁寧に織り上げています」と、アラン氏。
「昔は、シルクタイだけを作っていましたが、時代を重ねるうちにコットンやリネン、ウールも織り交ぜながら、多様なエフェクトを持つネクタイを作れるようなりました。私たちのテイストの醍醐味は‟ミックスカルチャー“にあると思います。オーストリアに創業し、ブリュッセルにも本社を構えた時期もあり、そして4世代をかけてフランスのニースに移転してきました。
そんな中でたくさんの国の人々と触れ合い、それらの異なる文化を経験することによって多様な色柄の表現が生まれてきました。とはいえ、そのデザインは時が経っても決して廃れることがない‟タイムレス”であることが私たちのネクタイの魅力だと思います。それは、ポルシェの911が、時代とともにモデルチェンジをしながら、永遠にタイムレスであるのと同じことです」
そうして100年以上の年月をかけてタイムレスに残されてきたアーカイブは、膨大な数がある。ということで、今回はアラン社長が事前に1970~1980年代のデザインを中心にセレクトして用意してくれた。それだけでもかなりの量! 確かに、1つ1つ並べて見ていくと、これまであまり見たことがないような、ポップなカラーリングのドット柄や個性的な幾何学柄など、ハッと心惹かれるデザインが多いことが分かる。