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臼井興胤さん

「独立経営者が各々に考えて自分でジャッジできるのがコメダの強み」
(臼井さん)

加藤 飽きてきちゃうんですか?

臼井 そういう側面もあります。三和銀行を辞めようと思ったときは、海外勤務から戻って本社の頭取直下の企画部で海外の担当になったんですけど、ダブルのスーツを着て行ったら偉い人に「本社でダブルのスーツは、役員以外は着ないことになってるんだ」と言われて。全く不文律ですよ。慰留してくれた上司からも「銀行の給料がなんで高いか知ってるか? 世の中で一番つまらない仕事をしてるからだ」と開き直られました。当時の都銀はどこも横並び発想で、学閥もあるし、魑魅魍魎のど真ん中でした。そんなときにアメリカの銀行で40代の頭取が出たと聞いて「今の仕事ではグローバルスタンダードでは戦えないな」と思ったんです。だから次の職場には海外に強いゲームメーカーだったセガを選んだんですけど、毎朝エレベーターに乗ると、周囲の人の髪の色から銀行時代とは違うんです。しかもろくに挨拶もしないし、決まった時間にも来ない。「すごいところに来ちゃったな」と思いましたけど、そういう自分勝手な人たちによって世の中にないクリエイティブなものが開発されてお金に替わっていくという体験ができたのは、ものすごくショッキングで大きかったですね。

加藤 そういう意味では、いま転職を考えている人はおしなべてチャレンジをしたほうがいいと?

臼井 基本的には好きなことをやったほうがいい。ただ、旧態依然とした組織にはそれなりの良さもあって、自分の頭で考えなくても昔ながらの教育を刷り込まれる。一方で今は刷り込みもない代わりに放ったらかしという組織も少なくないので、よっぽど個人がしっかりした頭を持ってないと転職しても行き詰まってしまう。だから一度は「起業して経営者になるなら話は別だけど、新しい会社に勤めてサラリーマンをするなら、どこも変らないよ」と慰留はします。今の会社でも一つのポジションにずっといられるわけじゃないし、本人の努力次第で異動できるかもしれないし、ずっと同じ上司とは限らない。だから「ここでやれることもまだあるんじゃないの?」と。



コメダ珈琲店

モーニングの文化を全国へ

コメダ珈琲店は1968年に創業した名古屋発祥のフルサービス型喫茶店。街のリビングルームとして、“くつろぐ、いちばんいいところ” をお客様に提供している。そのため心がけているのが、木とレンガを基調とした温かみのある店内、ゆったり座れるソファー、多くの新聞や雑誌類など、くつろいで過ごせる店づくり。開店から11時までは、ドリンクを注文すると焼き立てのトーストと、「ゆで玉子」「たまごペースト」「おぐらあん」のいずれかが無料で付くモーニングサービスが人気。価格は店舗により異なる。

スペシャルフォトギャラリー

[MEN’S EX 2020年3月号の記事を再構成]
撮影/前 康輔 スタイリング/後藤仁子 ヘアメイク/陶山恵実 文=岡田有加(Edit81)

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