
丸山 ボールが潰れて飛んでいく瞬間まで映像で見られる時代。その映像と頭に入っている数字がマッチングすれば、安心するんだよね。感覚でプレーしてきた僕としては、納得いかないこともあったけれど、最近は数字のほうが正しいんじゃないかとも思う。
北島 でも数字だけじゃ測れないものって、きっとあると思います。
丸山 僕ら昭和のテイストが入ってるからね(笑)。年齢差はちょっとあるけれど。
北島 数字を気にするのは自信のなさの表れなんじゃないかな。僕は速さを実感できたときは、たとえタイムが遅くても気にしなかった。4年に1度のタイミングに合わせるだけなので。
丸山 水泳は自分自身の体がギアだからね。
北島 僕からすれば道具を使えるゴルフは楽しいです。調子が悪いときは道具のせいにできますし。
丸山 ゴルフのクラブは14本あれば、14本なりの顔があるんですよ。子どもみたいなもので、それぞれの個性を知ることが、持ち主である親の務め。例えば右に飛ぶクラブなら、僕だったら左に飛ばないことをポジティブに捉えて利用する。そのかわりダメなクラブは徹底してダメ。お前なんか一生倉庫で眠ってろ!というクラブもある。
北島 もっと聞きたい(笑)。
丸山 伝説がいっぱいあるのよ、特にアメリカのプロには。クラブ1本ずつ折る人もいれば、海に投げ捨てる人もいる。カートにくくりつけて引きずって、コンニャロ!って言っている人とか。嘘のような本当の話。