野球界の偉人がこよなく愛した板前割烹
割烹の名にふさわしい、包丁捌きが生む味に魅せられる
昭和35年の創業以来、食材の鮮度に一切の妥協を許さないことで知られるのが祇園 川上だ。とりわけ京都でも極上の鯛を仕入れることで有名。また、お客の要望に沿って献立を考えてくれるホスピタリティ溢れるサービスにも定評がある。無論、鮮度やサービスだけでなく、調理の腕前も一級品。ご主人の加藤宏幸さんは取材陣の目の前で驚くほど細かい鱧の骨切りの技術を披露してみせた。
そんな祇園 川上は、昔から多くの名士に愛されてきた。中でも著名な常連は球界の偉人、川上哲治さん。川上さんが店名の由来なんて噂も聞くが、ご主人曰く、初代が占いで水にまつわる名前がいいと言われたのが真相だとか。昔ながらに電気ではなく氷で冷やす冷蔵庫や包丁についてなど、板場の豆知識をにこやかに教えてくれる姿を見れば贔屓筋が多いのにも納得がいく。初来店の俳優 前川泰之さんも、料理の味はもちろんのこと、カウンター越しの会話の距離感がお気に召したそうだ。
「祇園 川上」フォトギャラリー(写真3点)
祇園 川上(ぎおん かわかみ)
住所:京都府京都市東山区祇園町南側570-122
TEL:075-561-2420
昼4100円~、夜1万4000円~(
税・サ別)
毎月16日は定休日、不定休あり。余談ながら、定休日は川上哲治さんの背番号に因んでいるというのが面白い。日本酒は京都のものが多いのでお酒好きの方はぜひ。
[MEN’S EX 2019年11月号の記事を再構成](スタッフクレジットは本誌に記載)