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フロントブレーキがドラム式となった1985年モデル
クラシカルな雰囲気にマッチしているという理由から、フロントブレーキがドラム式となった1985年モデル。

そして、2008年には厳しくなる排気ガス規制に対応できないという理由から、30周年のアニバーサリーモデルをもって一旦は生産を終了。しかし、市場からの声を受けて、翌年には燃料供給を従来のキャブレター式から電子制御のフューエルインジェクション(FI)式とした新型が発表された。

2017年にはさらに厳しさを増す規制によって、またもラインナップから姿を消すことに。だが、2度めの生産終了からも「SR400」は不死鳥のように蘇る。40周年の節目を迎えた2018年に発売されたのが、現行モデルだ。機構的には時代遅れに見えるマシンだが、バイク乗りにとっては本質とも言える魅力を持っていることがその理由だろう。

2018年式の「SR400」のサイドカバー
2018年式の「SR400」のサイドカバーには、誇らしげに「SINCE 1978」の文字が刻まれる。

“儀式”となっているキックスタートも健在

SRシリーズを語るときに、誰もが口にするのはこのマシンのエンジン・スタートの形式についてだろう。近年のバイクが、ボタンを押せばエンジンのかかるセルフスタート式であるのに対して、「SR400」は最新型でもキックを踏み降ろしてエンジンを始動させる必要がある。手間のかかる形式ではあるが、このマシンに乗るための一種の”儀式”としてファンにも受け入れられているのが面白いところだ。

最新型の「SR400」もエンジンサイドにはキックレバーが装備され、セルスターターは非搭載
最新型の「SR400」もエンジンサイドにはキックレバーが装備され、セルスターターは非搭載。
ハンドルの左手側にはエンジンの圧縮を抜いて、キックレバーを軽く回すことができるデコンプレバーが装備
ハンドルの左手側にはエンジンの圧縮を抜いて、キックレバーを軽く回すことができるデコンプレバーが装備される。
ヤマハ「SR400」のエンジン
デコンプレバーを引いて、エンジンのヘッド部分にあるインジケーターを見ながらピストン位置を合わせる。

キックレバーを踏み降ろして、エンジンをかけられることが”SR乗り”にとって一つの誇りとなっていることは事実だが、一方で体力に自信のない女性ライダーなどにとってはハードルとなっていた面もある。それもあって、新型ではエンジンの始動性も改良が図られている。実際にエンジンをかけてみると、過去のSRシリーズとは違い、いとも簡単にエンジンがかかることに驚かされる。それでも、自力でキックを踏み降ろしてエンジンが目覚めたときの達成感はほかの最新モデルにはないものだ。

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