
スープラがクーペ、Z4がオープンという棲み分けで、仮想敵はズバリ、ポルシェ・ケイマン/ボクスターという。成り立ちを大まかに言えば、86より100mmも短いショートホイールベースとワイドトレッドな回答性重視のプラットフォームに、BMW由来のパワートレインを搭載し、独自の内外装デザインとシャシーチューニングを施したモデルということになる。
プラットフォームの開発、そして使用するパワートレインの選定がおわったのちに、トヨタとBMWはデザインチームや、走行性能テストテームを2つにわけて開発を進めたという。したがってエクステリアの共通部品は、アウタミラーとドアノブくらいしかない。エクステリアデザインは、明らかにスープラのほうが凝っている。凹型になったルーフや、大きくうねりながら張り出したリアフェンダー、複雑な造形のテールまわりなど、よくこのカタチを量産にこぎつけたものだと感心するほどだ。
スープラのディテールをチェック(写真4枚)
インテリアのデザインもまったくの別物。実はBMWに詳しい人でなければそれとはわからないと思うが、シフトノブやキー、センターのモニターやスイッチ類などは旧世代のBMWのものを流用することで、Z4との差別化を図っている。先のマツダロードスターとアバルト124や、トヨタ86とスバルBRZをみれば、エクステリアよりもインテリアの差別化がいかに難しいかがわかる。両者は基本的に同じデザインだ。しかし、スープラではこうした工夫によって、Z4とはまったく違う造形に仕立てたなかなかの苦心の作だ。