クラシック回帰の一方、機械はますます熟成進化
今年SIHH & バーゼルで発表された新作時計の傾向として、まず挙げるべきは、小径化だ。デカ厚ブームを牽引したブランドも続々40mmを割るサイズを展開。これは手首が細い人が多いアジア市場の要請に加え、控えめなサイズのほうが、よりセンスよく見えるという時計ファン全体のマインドの変化もあるようだ。
また色ではグリーン、ケース素材ではチタンやセラミック、カーボンが目立った。ちなみに前者については時計王・松山 猛さんは「殺伐とした時代だからこそ、グリーンがイメージさせる生命力、平穏、エコロジーといった世界観を多くの人が求め始めているのでは?」という俯瞰的な目線で分析をなさっていた。
機械的には、自社製ムーブ搭載の流れはさらに一段進み、脱進機に非耐磁性のシリコンを用いたものが多く登場。デザインは相変わらずクラッシク回帰がトレンドだが、ポテンシャル面は確実に進化しているのだ。
[MEN’S EX 2018年7月号の記事を再構成]
文/吉田 巌(十万馬力)
※表示価格は税抜き