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竹長さんにインタビュー

ここからは筆者の「Q.」と竹長さんの「A.」でより具体的にお伝えして行きたい。

熊本名産のシャツ

Q. 会社の沿革から伺わせてください。

A. この工場が出来たのは1988年に遡ります。その当時は大手アパレルメーカーの100%子会社で、シャツ専門工場でした。アパレル全体が厳しさを増し始めた頃でしたから国内の工場が海外移転をするなか最後に残った国内工場がここだったのです。2009年に親会社の再生を目的にこの工場の閉鎖が打ち出され、当時ここで工場長を勤めていた私と、当時営業の責任者であった現弊社社長の吉國とでMBOでここを買い取って再スタートしたのが2009年12月のことです。

熊本名産のシャツ

Q. 大英断でしたね!!

A. 吉國と二人でかなり細かくソロバンを弾きましたが(笑)。独立後はOEMでシャツを手がける事から始めました。元来工場の体制が大量生産型で、形状記憶など最新のモノづくりを中心にしていましたから、使う機械も最新鋭のものばかりで・・・。つまり、現在のように小ロットで多種多様なものづくりができる環境ではなかったのです。

熊本名産のシャツ
現在の縫製現場は小型のミシンが扱われている。


Q. なるほど。どうされたんですか?

A. そこで昔はこう作っていたとか、本来はこうだろう、こうあるべきじゃないかと試行錯誤を繰り返しながらシャツづくりに取り組むようになったのです。幸いにも多くの高級ブランドのシャツを作っていた経緯がありましたから、様々な縫製仕様や型紙に対応してきた事が活かせました。

それから2年後の2011年に「阪急メンズ」が東京に出店するときに初めて「HITOYOSHI」のネームを付けたオリジナルシャツを販売する事にしたのです。

シャツは白が基本ですから、これがキチンと縫えないと話になりません。ですからスタート当初は白に拘り、素材はツイル、ブロード、オックスフォード、ドビーに限定し、それを5種類の襟型で表現したのです。生産数は150枚、価格は9500円+税です。

熊本名産のシャツ
端整な顔つきの美しいトビーストライプ。


Q. 筆者が見せて頂いたのはそれだったのですね。ということはかなりレアな状態だったということですね。それにしても白シャツを縫うのはそんなに難しいのですか?

A. 色物に比べて白はステッチが意外に目立つのです。ですから細かく針を入れていかないとなりません。弊社では3cmの間に24針入れています。また縫製するときにシワが入らないように、丁寧に合わせて縫うこともポイントになりますから大型の機械を使っての大量生産は難しいといえましょう。

Q. 「HITOYOSHI」のシャツは立体で仕上げると以前に伺ったことがあります。

A. はい。注目して頂きたいのは、襟の形状です。弊社では襟の表地と裏地の大きさを変えて生地を裁断します。大きさが違うものを丁寧に合わせて縫って行くと縫い上がった襟は自然なR形状を描きます。つまり弊社では自然な状態で襟のR形状を作っています。

熊本名産のシャツ

弊社では接着芯を使わず、フラシ芯を使います。お手持ちのシャツの襟をひっくり返してみて下さい。このとき、裏側にシワが出るものの多くは接着芯を使っているといえます。こうしたシャツを繰り返しクリーニングに出すと接着芯が溶けて、最終的に襟が縮んできます。なにしろ高温のプレス機で仕上げますからね。しかしフラシ芯は縮みませんからより長く着ていただけるということになります。

熊本名産のシャツ

次に袖口のカフは手に向って細くなる形状に仕上げているのも特徴です。手首とカフの間に大きな隙間ができると綺麗じゃないでしょう。また殆どのシャツは貝ボタンを使い、素材は綿ブロードの100双を使って価格は同じく9500円です。

HITOYOSHI代表取締役で工場長の竹長一幸さん。

HITOYOSHI代表取締役で工場長の竹長一幸さん。

同社の製品を彷彿とさせるシンプルで、クリーンな佇まいだ。

同社の製品を彷彿とさせるシンプルで、クリーンな佇まいだ。

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