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加藤 綾子さん、岡藤正広さん

相手に合わせて自分を切り替える。なかなか難しいことだと思います
(加藤さん)

加藤他にも「カジュアルフライデー」の服装が、ただネクタイを外しただけの状況を見て、思い切って「脱スーツ・デー」を導入されたと。

岡藤最初は金曜だけだったけど、今は金曜だけでなく水曜も、8月は暑くてかなわんから、一ヶ月は毎日、脱スーツ・デーにしてな(笑)。商社の場合、マーケットや世の中の変化に寄り添い、感性を研ぎ澄ましてやっていくのが大事なわけで、服装も無視できません。とはいえ、ある程度はファッションを教えていかなあかんので(笑)、ジーンズ・デーとして、うちで輸入している海外ブランドやエドウィンのジーンズの販売会をしたり、東京本社に「D+ラウンジ」として、ファッションや身だしなみに関してレクチャーを受けたりすることのできるコンセプトスペースを設けたり、社員のファッションに対するマインドを刺激しています。他にも、参加の応募をしてきた社員の中から毎シーズン10名程度、伊勢丹新宿店の方に全身コーディネートをしてもらって、それを一式無料であげたりも。

加藤会社がそこまで!?

岡藤会社もお金をかけているんだから、という姿勢が大事。

加藤その意味では、御社の最寄りである外苑前駅の地上出口から会社までのわずか数メートルに、屋根も付けられたんですよね。

岡藤たった数メートルのために傘をささなきゃならない社員の気持ちを考えたものだけど、関係者との調整や費用がホント大変だった(笑)。

加藤多忙を極める中でも、細やかな部分に気づくことができるように、普段から心がけていらっしゃることはおありですか?

岡藤まず、いろいろな人の話をよく聞いて、気になったことはメモに取ること。例えば昨日も赤坂にできたと聞いた地下の狭いところでやっている新しいバーバーに行ってきて、帰りに東急ハンズに行ってきました。メガドンキにもよく行くな。「ここはなぜ流行っているんだろう」とか、いろんなことを研究してる。どちらかというと少しでも時間があったら現場に足を運ぶのが好きやし。だから、社長になって、多すぎる会議を極端に減らして。社員の人間性を見るには細かい話より、雑談で十分。会議の際の膨大な資料も「なるべく作るなよ、少なくしろよ」と。

加藤メガドンキを歩いている岡藤さん、想像がつきません(笑)。

岡藤「いかにマーケットに合うものを提供するか」ということが身についてしまっていて、消費者はもちろん、自ずと社員や家族の目線にも立ってしまう。全社メッセージの内容も「社員はこれをどう思うだろうか」と、何回も推敲してますよ。

加藤でも、岡藤さんのような自己を確立された立場の方が、相手に合わせて自分を切り替えていくことは、難しくはないですか?

岡藤変わらないとどんどん世の中から遅れていく。新しいスマホが出るときも、たいして使わないのにその度に買って、なんとかついていこうと努力はしとる(笑)。

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伊藤忠商事株式会社

伊藤忠商事株式会社

今年160周年を迎える大手総合商社。世界63ヶ国に約120の拠点を持つ大手総合商社として、繊維、機械、金属、エネルギー、化学品、食料、住生活、情報、金融の各分野において国内、輸出入および三国間取引を行うほか、国内外における事業投資など、幅広いビジネスを展開する。
公式ウェブサイト:https://www.itochu.co.jp/ja/
住所:東京都港区北青山2-5-1

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