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ランドローバー ディスカバリー×マウンテンバイク

目的地であるCLUB3719は中央自動車道の諏訪ICから10分ほど走った場所にあった。会員制のアウトドアクラブである。レクチャーを受け、裏手から茅野の山奥へとMTBを走らせる。といっても我々は完全な素人。そもそもMTBのことがわかっていない。でも壇さんはそのあたりを見抜いて基本的なことから丁寧に教えてくれるため実に理解しやすい。

後から伺ったお話では、壇さんは体力やスキルなど、相手に合わせてメニューを柔軟に変えて対応しているのだという。なるほど、ここを訪れる人が絶えないのにはこうした細やかな心遣いも理由のひとつなのだ。

MTBの基本をまずはレクチャーされる。なかでも面白かったのはギアの使い方だ。左手で操作する前輪のギアは路面の傾斜に合わせて変えるという。それに対して右側は「気分で変える」というのだ(笑)。ようは「気合いで漕ぎたい」「ここはラクしたい」とか、自分の好みでいいわけだ。他にも毎秒1回漕ぐのが理想だとか、漕ぐ際の力の入れ方、ペダルを踏む位置なども教えてもらう。

またMTBの選び方も教わった。なんでもMTBには相性が存在するらしく、フレームの中央を持ち上げてみて、スっと持ち上がるのを選ぶのがいいそうだ。これは乗り手と自転車の重心が合うかどうかを測っているらしく、持ち上げた際、前後にフラついたりするのは相性が悪いのだという。ということで数あるレンタルMTBの中で相性の良いやつを選ばせてもらい、軽く試乗がてら裏手に回る。

MTBの魅力。それは日常とはまったく違う場所へ瞬時に、気軽に行けることなのだという。ここCLUB3719もそれをテーマにしているので、あえてスタート地点、ゴール地点を設けてそこで気持ちを切り替える。都会の喧噪を忘れて自然と戯れ、終わったら自然に感謝しながらゲートを潜って日常に戻る。ここはそういう楽しみ方をする人が集まる場所なのだという。

ふと気になったのはなぜこの茅野なのかということ。しかしそれは走り出してすぐに理解ができた。とにかくこのエリアはMTBで走りまわるのに絶好の地なのである。美しい景色の森林がいたるところにあり、とにかくMTBで走ると気持ちがいい。撮影時は晴天だったが木漏れ日が入る森の中はまさに別世界。そして我々が走る道はならされた土がほとんどだ。実は長野には御柱祭があるため、その大木を運ぶためにこうした道がいたるところにあるのだという。だから初心者でも道沿いにどんどん走れる。もちろん、上級 者になれば草、岩を乗り越えてどこへでも入っていける。壇さんがこの場所を拠点に選んだのもそうした理由からなのだそうだ。

教えてもらったギア操作、重心、漕ぎ方を駆使してこうした大自然の中を走る。とにかくきもちいい。仲間と大勢で走ればきっと対抗心が芽生えるだろうし、どんどん上達すればいける場所も広がる。なるほど、この楽しさはクルマでは味わえない。何とも奥が深い。残念ながら撮影もあったので長時間乗れなかったが、これはぜひとも時間を作って再訪したいと思った。いやくるべきだ。きっと大の大人が時間を忘れてはしゃげるはずだ。

帰り道はちょっと寄り道して、ドライブコースとして有名な蓼科ビーナスラインや車山エリアを軽く流しながら帰る。「お? こことかMTBで走ったら楽しいんじゃない?」と、いつもとは違った視点で馴染みの地を走り帰路につく。やりたいアクティビティがどどんストックされていく。この企画は本当に困った仕事である。

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