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1978年式のXJC12と西川 淳さん
ブラックビニルトップが洒落ている1978年式のXJC12。アイドリングはエンストしたかと思うほど静かなのに、軽い踏み込みで滑らかに走り出す、非常に上品な乗り味である。

個人的にもっとも試してみたかったのが、シリーズ2時代の’75?’77年にわずか1万台程度造られた2ドアクーペの、しかも12気筒を積んだモデルXJC12だった。

英国のカントリーロードを駆けているあいだに、XJC12の運転席に座る順が巡ってきた。落ち着いたマルーンにブラックビニルトップのコーデも洒落た一台で、眺めているだけで欲しくなってしまう。40年も前のジャガーの、しかも12気筒だ。自分で買ったりすれば相当に苦労することになるだろう、と言い聞かせつつも、クラシック・ワークスに頼んで完璧な車体を都合してもらえば?、などと”悪魔の囁き”も聞こえてくる。いずれにしても、大枚が必要なことだけは間違いない。

ちょっと緊張しながら華奢なステアリングホイールを握りしめ、頼りなく立っているシフトレバーを動かし、右足にゆっくりと力をこめたなら、仕方なくという感じでXJC12はしずしずと動き始めた。

ぬるぬるとたぐればたぐるほど湧き出てくる滑らかなトルクフィールがたまらない。12個のピストンが際限のないトルクを供給する。アイドリングではエンストかと思うほど静か。中立のはっきりとしないステアリングフィールはクラシックカーそのものであるにもかかわらず、ひとたび舵角を決めたなら自信をもってカーブを駆けぬけていける。中速域の乗り心地もまた素晴らしい。

なるほどジャガーは英国のカントリーロード生まれなのだ。

1973年にデビューしたシリーズ2のクーペモデル。シリーズ1同様にストレート6と5.3?のV12エンジンが用意されていた。写真のクーペは1975年から生産され、約1万台しか作られなかった。

1973年にデビューしたシリーズ2のクーペモデル。シリーズ1同様にストレート6と5.3?のV12エンジンが用意されていた。写真のクーペは1975年から生産され、約1万台しか作られなかった。

初めてアルミモノコックボディを採用して2002年にデビューしたX350系。試乗したのは2008年式のスーパーV8でこちらも僅か863台しか生産されなかった希少モデルである。

初めてアルミモノコックボディを採用して2002年にデビューしたX350系。試乗したのは2008年式のスーパーV8でこちらも僅か863台しか生産されなかった希少モデルである。

こちらはX308と呼ばれ、1998年から2003年まで製造されたモデル。X300系の後期に位置する車で、今回のイベント用にジャガーが見つけ出して購入。今回のツアーで最も感銘を受けたのがこのモデルだ。

こちらはX308と呼ばれ、1998年から2003年まで製造されたモデル。X300系の後期に位置する車で、今回のイベント用にジャガーが見つけ出して購入。今回のツアーで最も感銘を受けたのがこのモデルだ。

1979年にデビューしたシリーズ3。試乗したのは87年式のXJ6で4.2リットルエンジンを積んだ最後のソブリンである。直進性も良いがなによりハンドリングが軽いのには驚かされた。

1979年にデビューしたシリーズ3。試乗したのは87年式のXJ6で4.2リットルエンジンを積んだ最後のソブリンである。直進性も良いがなによりハンドリングが軽いのには驚かされた。

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