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サステナ

それでも物足りないと考える人のためにか、室内にエンジン音的なサウンドを響かせるアクティブサウンドデザイン機能も備わる。V8サウンド的なものが響くのは、まあ面白いので決して悪くはないが、きっと多くの人が何度か試したあと、オフにするんじゃないだろうか。

アクセルペダルから足を離した時には回生ブレーキが働く。その効きは2段階に調整でき、ハイに設定しておけば、最大0.4Gの減速Gが発生し、ほぼブレーキペダル要らずのドライビングができる。この感覚はEVならではのものだ。但し、停止寸前のコントロール性は現状ではまだ今イチ。ブレーキペダルを踏む場合でも、それは変わらない。またクリープもオン・オフの設定が可能だ。

それより何より鮮烈なのがハンドリングだ。Fタイプ譲りのフロントダブルウィッシュボーンに、リアをF-PACE由来のインテグラルリンク式としたサスペンションにエアスプリングの組み合わせは、常に4輪が路面を離すことのない安定性と、優れた操舵応答性を実現している。最大22インチという大径タイヤを履くにも関わらず、乗り心地も上々と言っていい。

低い重心、優れた前後重量配分も、それらを後押ししているのは間違いない。一般道にワインディングロード、更にはサーキット走行まで含まれていた今回の試乗プログラムは、最初に述べた通りジャガーの自信のほどを示していると言っていい。あるいは彼らにとっては、いつも通り当たり前のことをしただけなのかもしれないが。

サステナ

ちなみにサーキット走行での直線スピードは、ジャガーFタイプの2Lターボ版とほぼ同等だった。コーナリングはもちろん速さでは叶わないもののコントロールの容易さは上回るほど。重心の高さを意識させられることもなく、大いに楽しめた。

しかもI-PACEは、オフロード走行でも非凡なところを見せる。高速域では10mm下がる車高が、オフロードモードでは50mm上がり、優れたトラクション、精密なコントロール性なども相まって、ぬかるんだ山道でも至極安心して走りを楽しめた。500mmという渡河深度も目を見張るところだ。何しろ高電圧バッテリーを山ほど搭載しているだけに河の中に入っていくのは勇気が要ったが、もちろん難なく走り抜けることができたのである。

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