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そもそも”中央翼”とは何のだろうか? スバル航空宇宙カンパニー 技術開発センター研究部長の齋藤さんによると、「中央翼は、長さ約9m×幅約6m×高さ約6mの構造体。左右を主翼に、前後は客室床下の胴体を結合する機体中心部に位置する重要部位。数百tもの荷重に耐えるよう、複雑な軽量構造設計になっています」とのこと。さらに続けて「内部は燃料タンクとなっているため、万全の液密&耐雷設計です。一番分厚い部材ではCFRP(炭素製強化プラスチック)の薄いシートを100枚以上も積み重ねています」と話す。「飛行中の旅客機の主翼は、地上静止時より3mほどたわんでいるのですが、これが9〜10mたわんでも壊れることはありません」とも付け加えた。


JAL機ボーイング787とスバルの意外な関係
中央翼の構造部分を組み合わせるために使われるボルト。その数はなんと2万本以上! しかも、一本一本全てに強度計算を行い、その精度公差±0.1mm、厳しいところでは±0.03mmという精密さが求められるとか。


スバルが設計・製造する中央翼は愛知県半田工場でつくられ、完成後は中部国際空港からアメリカへ空輸。西海岸のワシントン州エバレットと東海岸のサウスカロライナ州チャールストンにあるボーイングの専用工場で787の最終積み付けが行われる。その生産は、月産12基のペースとなるそうだそんなスバル製中央翼を採用するボーイング787型機は、機体構造の50%をCFRPで形成し、従来のアルミやチタンなどの合金を主体としていたボディより軽く、剛性も高い。つまり、機体が軽い分、低燃費かつ航続距離の長距離化を実現した機体になっているという。


JAL機ボーイング787とスバルの意外な関係
国際線なのでビジネスクラスがある。残念ながら座席は抽選で、今回はエコノミークラスでのフライト体験に。従来機よりも気圧変化が少なく、キャビンに加湿器を標準装備。お肌や髪の乾燥も少ないとのことだ。


JAL機ボーイング787とスバルの意外な関係
エコノミークラスのシート。今回の一日チャーター便のために特別制作された「SUBARU」と「JAL」のダブルネームは、シートカバーから記念ステッカー、紙コップまでが特製だったのが印象的。


フライト体験をした787-8型機の座席は抽選。残念ながらビジネスクラスの快適性を体感することはできなかったものの、エコノミークラスに案内された座席のちょうど真下が中央翼付近。国際線仕様とあって足元は広く、快適性は必要にして十分。機体にCRFP製を採用することで客室の窓を大きくできたメリットのほか、腐食にも強いので、室内の湿度や湿気対策も万全という。機内の与圧を少なくできるので身体への負担が少く、乾燥しにくいので肌に優しく女性にもお勧めだそうだ。今回は国内路線のため、通常よりも高度は低くなっているものの、確かに気圧で耳がツンとなることはなかったように思う。わずか1時間ほどのボーイング878型機のプチフライト。つかの間の旅行気分が味わえた。


ダブルネームと機内の様子(写真5枚)




JAL機ボーイング787とスバルの意外な関係
旭川空港に無事にランディングしたJAL4901便。初就航のボーイング787-8型機を歓迎する旭川消防による放水のサプライズも。当日は航空機ファンも集まったとか。


JAL機ボーイング787とスバルの意外な関係
JALの自動車輸送サービス「JAL SOLUTIONS WHEEL」を使い空輸したスバルBRZの積み下ろしデモンストレーション。専用輸送器材により、航空機の進行方向に沿って自動車を搭載。全長5140mmのボディサイズにまで対応する。



航空機に自動車を搭載(写真2枚)



スバルは現在、ボーイング777の改良機777-Xの中央翼やヘリコプターなどを開発中。またラリーカーやGTカーに使われるCFRPパーツやエアロデバイスには、航空機の技術がフィードバックされているとか。スバルのクルマづくりに息づく航空機のノウハウ。ボーイング787型機を利用する機会の多い海外出張組は、ぜひこの機会にスバルがつくる”中央翼”に思いを馳せながらフライトを楽しんでみては?


JAL機ボーイング787とスバルの意外な関係
今回のツアーのもうひとつも目玉、新しくなったスバル研究実験センター美深試験場(北海道中川郡美深町)へ。新型BRZ最上級グレード「STI Sport」を大自然のなかで試乗。テストコースには高度運転支援技術のための新しいテストコースを新設している。


「STI Sport」試乗の様子(写真7枚)




撮影/SUBARU 文・構成/iconic

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