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【独立】

随分悩んだものの、知り合いから「自分で店をやれば」というひと言で吹っ切れた。京都の「シップス」で一緒に働いていた同僚や同級生を呼び寄せ、’06年、当時はブティックもない、穴場の六角通りに「グジ」をオープンした。開業資金は、自分たちの貯蓄と借金で賄った。「よく、あんな危ない橋を渡ったな」と回想する田野氏だが、滑り出しは悪くはなかった。しかし……。オープンしてから1年半頃、資金繰りが逼迫した。売り上げは好調だったものの、在庫が溜まっていったのだ。

【勝負】

田野氏とふたりの役員は、考えた3つの改善策からひとつを選んだ。2店舗目の新規出店である。大阪・梅田のショッピングモール、ハービスへの出店話が好条件で舞い込んできた。京都店は安定を取り戻したが、一方、大阪のショップは閑古鳥の毎日。あまりにも暇だったため、ネット販売に力を注ぎ出す。これが当たった。’09年頃は、高額なメンズファッションをネットで販売する競合も少なく、売り上げはうなぎのぼり。ネットで知った客が、ショップにも足を運び出した。そこからは「グジ」の快進撃。現在、京都・大阪・東京に8店舗。そのうえ、販売代行、フランチャイズも展開する。

【ポリシー】

「トレンドを踏まえて、”色気”を感じる商品を仕入れています」。そして、「セレクトショップの原点に返り”買い物は最大の娯楽”であることを、接客を通して伝えていきたい」と田野氏はいう。



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グジ京都 ギャラリーを見る(写真3点)

グジ京都

住所:京都市中京区六角通柳馬場東入大黒町72-1 六角Nビル1階
TEL:075-212-5615
11時-20時 無休
ホームページ: https://www.guji.jp/



[MEN’S EX 2019年2月号の記事を再構成](スタッフクレジットは本誌に記載)
<b>Good Owner!</b><hr style='margin-bottom: 20px'>1971年生まれの田野社長。ひと月の半分は自らが店頭に立ち、接客にあたる。直観力に優れた伊達な経営者である。

Good Owner!
1971年生まれの田野社長。ひと月の半分は自らが店頭に立ち、接客にあたる。直観力に優れた伊達な経営者である。

「カルロ ・バルベラ」のブラックフランネルを使った、セットアップのスリーピース。

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ショップのらせん階段を上ると、「マルニ」のコーナーが現れる。モードの取り入れ方も絶妙である。

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ニットの棚に日本の「991」をはじめ、大人好みの上質なブランドが並ぶ。

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