矢部克已の「ニッポン、いい店(ショップ)いい工場(ファクトリー)#7」京都 – グジ京都

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大手セレクトショップの社員から独立し、11年間で8店舗にまで拡大した京都発祥のショップ。東京進出を夢見、その願いが叶ったとき再びセレクトショップの原点を見直した。ショップのあり方をあらためて打ち出した”買い物は最大の娯楽”という思いがそこにある。

グジ京都

今月のいい店(ショップ)
京都 – グジ京都

矢部克已さん

教えてくれる人
ファッションジャーナリスト
矢部克已さん

メンズファッション誌編集部を経て渡伊。本国の服飾文化を吸収して帰国。ピッティ・ウォモを欠かさずに取材。常に「ファッションの現場」が気になるいま、この連載に力を込める。

穴場のエリアだった六角通りに出店。ここから躍進がはじまった

開業わずか2年で危機に瀕するも、勝負に出た

烏丸通りから六角通りに入ると、周囲は静かな雰囲気に包まれる。「チャンピオン京都店」と「ザ・ノース・フェイス 京都店」を左右に見ると、そのすぐ前に「グジ京都」が佇む。店の前に駐車場があるためか、大きなガラス窓を使った広い間口でも案外控えめに見える。

【人物】

社長を務めるのは、田野浩志氏。子どもの頃から好きだったファッションは、高校の頃にDCブランドから「ラルフ ローレン」をはじめとするトラッドなスタイルに移行した。「シップス」でバイトを始めたのは、大学1年生の秋。高価な「オールデン」を買い、母親から叱られても、稼いだバイト代はすべて服で使い果たすほど、ファッションにのめり込んでいった。卒業後の就職先も「シップス」。京都・二条河原町店でクロージングの担当となり、大阪に転勤し、再び京都に戻り店長となった。2001年、東京・有楽町店のオープンに合わせて栄転。気持ちのうえでは、仕事で成果を出し「シップス」で出世しようと腹を据えた。しかし……。当時の副社長以下、重要なスタッフたちが「シップス」を辞め、新たなショップをオープンする話が持ち上がる。いまは無き、あのセレクトショップ「ne」だ。それを機に田野氏の気持ちは大きく揺らぎはじめた。

田野さん ギャラリーを見る(写真2点)

<b>Good Owner!</b><hr style='margin-bottom: 20px'>1971年生まれの田野社長。ひと月の半分は自らが店頭に立ち、接客にあたる。直観力に優れた伊達な経営者である。

Good Owner!
1971年生まれの田野社長。ひと月の半分は自らが店頭に立ち、接客にあたる。直観力に優れた伊達な経営者である。

「カルロ ・バルベラ」のブラックフランネルを使った、セットアップのスリーピース。

「カルロ ・バルベラ」のブラックフランネルを使った、セットアップのスリーピース。

ショップのらせん階段を上ると、「マルニ」のコーナーが現れる。モードの取り入れ方も絶妙である。

ショップのらせん階段を上ると、「マルニ」のコーナーが現れる。モードの取り入れ方も絶妙である。

ニットの棚に日本の「991」をはじめ、大人好みの上質なブランドが並ぶ。

ニットの棚に日本の「991」をはじめ、大人好みの上質なブランドが並ぶ。

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