635psのV8とラリー由来のシャシー技術を搭載。過酷な競技で培った走破性能を市販モデルへ
ジャガー・ランドローバーは2026年8月、新たな限定生産モデル「ディフェンダー ダカール(DEFENDER DAKAR)」のデザインプレビューモデルを、米国カリフォルニア州モントレーで開催された「The Quail by The Peninsula, A Motorsports Gathering」で世界初公開した。2026年のダカール・ラリーに初参戦し、Stockクラスで優勝を果たした競技車両「D7X-R」をベースに、その走破性能とラリーで培った技術を公道へと持ち込んだモデルである。予約受注は2027年初頭に開始される予定だ。
D7X-Rは、2026年のダカール・ラリーで鮮烈なデビューを飾った。14日間にわたる過酷な戦いで3台が総合1位、2位、4位に入り、全13ステージ中10ステージで表彰台を独占。3台合計で2万4000kmを走破し、ディフェンダーが培ってきた耐久性と走破能力を実戦で証明した。ディフェンダー ダカールは、この優勝マシンを単にイメージしたモデルではなく、D7X-Rと同じD7xボディアーキテクチャやトランスミッション、ドライブトレインを受け継ぐ点が大きな特徴となる。
その基本となるのは、ディフェンダーの最高性能モデル「ディフェンダー オクタ」だ。4.4リッターV8ツインターボエンジンを搭載し、競技車両のようなレース規則による出力制限がないため、最高出力635ps、最大トルク750Nmを発生する。足まわりには、Bilstein製アドバンスト・ダンパーを備えたコイルスプリングサスペンションを採用。新設計の20インチ鍛造ホイールには35インチのオールテレインタイヤを組み合わせ、トレッド幅の拡大と最低地上高の引き上げも行われる。さらに「Dunes」と「Gravel」のドライブモードに加え、競技車両用に開発された「フライトモード」も搭載する。
スタイリングにもラリーマシンの機能美が反映される。ルーフのライトポッドや固定式メタルルーフ、カーボンファイバー製のレイズドエアインテークとボンネット、リベットを露出させた拡張ホイールアーチ、マッドフラップなどを採用。ボディにはD7X-Rを思わせるダカールサンドとヤンブーターコイズの組み合わせも用意される。インテリアは専用レーシングスタイルシートを備えた2+2レイアウトとし、4点式レーシングハーネスもオプション設定。ヘルメットやスペアホイールを収納・固定するためのスペースまで設けられている。
1948年のランドローバー シリーズ Iにまでルーツを遡るディフェンダーは、長年にわたり悪路走破性を磨き続けてきた。その最新技術を世界屈指の過酷なラリーで鍛え、再び公道へ還元したディフェンダー ダカールは、単なるモータースポーツ由来の特別仕様車とは一線を画す存在だ。競技で実証したタフネスと635psのV8を融合したこの一台は、ディフェンダーが積み重ねてきたオフロードの歴史を体現する市販モデルといえるだろう。
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