家族向けEVの新基準へ。中国専用開発モデルの第三弾「日産 NX8」発売

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日産 NX8

EVとレンジエクステンダーで、多様なニーズに応えるミドルクラスSUV

日産自動車と中国合弁会社である東風日産乗用車公司(DFN)は2026年4月、新型EV SUV「NX8」を中国市場で発売した。中国専用に開発されたモデルであり、セダンの「N6」「N7」に続くNシリーズ第3弾として位置づけられるとともに、同シリーズにおけるSUVの中核を担うモデルとなる。コンセプトには「すべての家族にとって理想的なSUV」を掲げ、快適性、先進装備、安全性能を軸に商品性を構築した。

NX8の特徴は、パワートレインの選択肢の広さにある。純電動モデルに加え、発電用エンジンを組み合わせたレンジエクステンダー(REEV)仕様を設定し、中国市場における多様な使用環境に対応。EVモデルは最大650km(CLTCモード)の航続距離を確保し、800V・5Cの高電圧アーキテクチャにより、約6分の充電で300km相当の走行距離を回復可能とする。一方REEVモデルは、EV走行距離310kmに加え、総合航続距離1450kmを実現し、長距離移動における安心感を高めた。

パッケージングはファミリーユースを強く意識する。ラゲッジ容量は773リッターを確保し、スーツケース35個の積載に対応。後席の室内高は1285mmとされ、子どもが立って着替えられるスペースを確保するなど、日常からレジャーまで幅広いシーンを想定した設計がなされている。さらに、-6℃から55℃まで設定可能な車載冷温庫や、ペットの置き忘れを検知・通知する「ペット保護モード」など、生活密着型の装備も盛り込まれた。

快適装備では、AIゼログラビティシートや非接触風制御システム、乗り物酔い防止技術などを採用。後席には電動リクライニングやマッサージ機能を備え、全席における快適性の底上げを図っている。また、15.6インチのデュアルディスプレイや中国向け車載OS「NISSAN OS 2.0」、AI音声アシスタントなど、デジタル領域の装備も充実する。

安全面では、CATL製セルを用いたバッテリーと多層的な安全対策を組み合わせ、146項目に及ぶ試験をクリアし、クラウドによる24時間監視体制も導入。電動車としての信頼性を高めた。加えて、高強度鋼材を用いたボディ構造やARヘッドアップディスプレイ、先進運転支援システムにより、長距離移動時の負担軽減と安全性向上を図っている。

価格は15.99万元(約336万円)から20.99万元(約441万円)とされ、全グレードで71項目の装備を標準化した。中国市場における競争が激化する中、NX8は価格と装備、そしてパワートレインの多様性によって存在感を示すモデルとなる。

電動化が進む中国市場において、ユーザーの要求は性能だけでなく、快適性やデジタル体験、さらには家族単位での使い勝手にまで及んでいる。NX8はそうした要請に応える形で開発された一台であり、日産の中国戦略を象徴するモデルのひとつといえるだろう。

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