
暗号化認証で差すだけ充電。CHAdeMO規格で日本初の実用化
ホンダは、新型軽乗用EV「N-ONE e:」の発売に合わせ、9月12日よりEV向け充電ネットワークサービス「ホンダチャージ(Honda Charge)」を開始した。EV普及のカギを握る“充電体験”を大きく変える、日本初の仕組みがスタートすることとなった。
最大の特徴は、CHAdeMO規格に準拠した日本初の「プラグアンドチャージ」システムである。これまで国内のEV充電は、認証カードをかざすか、スマートフォンアプリで利用登録・操作を行い、最後に充電開始ボタンを押すという3段階の手続きが必要だった。新システムでは、車両と充電器が接続された瞬間に、暗号化された車両IDを通じてユーザー認証を自動で実施。続けて充電が開始され、利用履歴はHonda Chargeアプリに記録され、決済までシームレスに処理される。ユーザーが行うのは「プラグを差す」という一動作のみだ。
この仕組みは、ホンダと充電事業者プラゴが2024年に共同開発契約を結び、プラゴの認証サービス「& GO」を組み込むことで実現した。欧州で普及が進むCCS規格のプラグアンドチャージを国内CHAdeMO方式に適用したのは初の試みであり、日本市場におけるEV充電の新基準を打ち立てるものといえる。
インフラ整備もすでに始まっている。現時点で全国52店舗のホンダ カーズに対応充電器を設置済み。今後は商業施設や公共空間にも展開し、2030年までに数千口規模に拡大する計画だ。さらに、プラゴが全国に設置済みの732基(急速103基、普通629基)もHonda Chargeアプリで利用可能となり、既存ネットワークとの相互補完を図る。
専用アプリ「Honda Charge」では、充電器の検索や予約、充電状況の確認、決済を一括管理。利用者は移動前にルート上の充電ポイントを計画でき、出張や週末の長距離ドライブでも安心感を得られる。
ホンダが目指すのは、充電を「作業」から「体験」へと昇華させること。わずらわしい手続きをなくし、EVライフを洗練されたものに変えるこの仕組みは、カーボンニュートラル社会を見据えた同社の本気度を物語っている。
Honda Chargeサイト
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