文化財建築の宿で、和洋折衷の美に触れる軽井沢〈万平ホテル〉、箱根〈富士屋ホテル〉

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知的で素敵なLUXURY LIFE 50の実例

膨大な情報に溢れる現代。経験と知識をどう得て、賢く楽しむか? を、衣食住遊~学・整まで、50の実例に。日常に“光=LUX”を与えてくれる新しい価値観をぜひご覧ください。

[実例18/旅]
文化財建築の宿で、和洋折衷の美に触れる

旅に求めるものが “心に残る時間” へと変わりつつある。そんな今こそ、歴史と美意識が息づく文化財建築の宿に身をゆだねたい。時を重ねた空間は建築や設えの細部にまで物語を宿し、滞在そのものに奥行きをもたらす。癒しや快適さを超えた旅は、知的な大人にこそ相応しい。

例えば、軽井沢の「万平ホテル」。明治27年創業の名門で、ジョン・レノン夫妻をはじめ多くの賓客を迎えてきた。昭和11年築の本館「アルプス館」は、木の温もりと静けさが調和し、都市型ホテルでは得難い情緒豊かな時間をもたらしてくれる。重厚なメインダイニングルームやカフェテラス、クラシックなバーでは、折上格天井や木製装飾に目を凝らしつつ、往年の滞在者たちに思いを馳せて過ごすことができる。

箱根・宮ノ下の「富士屋ホテル」もまた、明治11年創業という圧倒的な歴史を誇る。木造の本館や花御殿など、国の有形文化財に登録された建築群が織りなす景観は圧巻。日本建築と西洋建築を融合させた“和洋折衷”の設えが随所に施され、まるで美術館に滞在しているかのような感覚が味わえる。

また、どちらも近年大規模な改修を経て、創業当時の趣と快適さを兼ね備えた空間へと進化しているのも嬉しいところ。ただ泊まるのではなく、空間そのものを味わうように滞在する、そんな旅は、成熟した大人だからこそ辿り着ける選択肢だ。

軽井沢の静けさに棲む木のシャレーと和の趣
MAMPEI HOTEL(万平ホテル)

万平ホテル

昭和11年築のアルプス館は有形文化財にも登録され、建築家・久米権九郎が手がけたスイス・シャレー風建築に日本的な木造の意匠を融合させた和洋折衷様式が特徴。重厚な梁や折上格天井といった細部にも職人の技が息づいている。

万平ホテル
万平ホテル

木の温もりに包まれた部屋や大理石を用いたクラシックなバスルームなど、客室にも昔日の趣が漂う。グランドクラシック 1泊1名7万5325円〜(夕朝食付き・税込サ込)。

客室
バスルーム

MAMPEI HOTEL(万平ホテル)
長野県北佐久郡軽井沢町軽井沢925
TEL:0267-42-1234

箱根の山で味わう和とアール・デコの饗宴
FUJIYA HOTEL(富士屋ホテル)

富士屋ホテル

本館は重厚な木造建築となり、国の登録有形文化財にも指定されている。昭和11年築の「花御殿」は、和洋折衷の粋を極めた装飾美を今に伝え、客室は当時の雰囲気を残しつつ快適性も備える設えが魅力だ。

富士屋ホテル
富士屋ホテル

昭和初期に建てられた日本初の温泉利用屋内プール「マーメイド」も、優雅な昭和モダンの趣を添えている。

温泉利用屋内プール「マーメイド」

ヘリテージルーム 菊 1泊1名12万2000円〜(入浴税別)。

ヘリテージルーム 菊

FUJIYA HOTEL(富士屋ホテル)
神奈川県足柄下郡箱根町宮ノ下359
TEL:0460-82-2211

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[MEN’S EX Summer 2025の記事を再構成](スタッフクレジットは本誌に記載)
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