時計はそれぞれシーンによって使い分けることで、
時代を超えて生き続ける

大人のエレガンスを感じさせるハイエンドモデルから、1970〜80年代のマニアックなスポーティモデルまで、俳優・谷原章介さんの腕時計の”守備範囲”は、実に広く深い。
「俳優デビューした’90年代半ば、ラドーの『スターライナー』というモデルを買ってから、徐々に腕時計への関心が高まっていきました。知り合いのアンティークウォッチ店に出入りするようになり、もともとアメカジの古着が趣味だったこともあって、アンティークにハマっていきました。現行モデルも魅力的ですが、今、生産されていない希少性や、もはや手に入らないデザインに魅力を感じることが多いんです」
スタジオにはご自身のコレクションをお持ち頂き、時計達人ならではの楽しみ方を伺った。
「司会の仕事でスーツを着るときでも、フォーマル感の強いときはゴールドのラウンド、ダブルで少し遊んでいるときは角型、クイズ番組でジャケパンだったらスポーツ系、と使い分けています。小さくて薄型の時計は、技術的にも洗練されているし、品がよくて服の邪魔をしない。とは言うものの、僕もデカくて厚い、’80年代のダイバーズを集めていたりするんですが(笑)。それもひとつの味だったり、遊び方かなと思います。やはりシーンごとに、服や靴のように使い分けたいですね。ひとつひとつの時計に、見つけたときの思い出がある。各時計をシーンによって使ってあげれば、時代を超えて生き続けてくれるんじゃないでしょうか」
そんな”達人”谷原さんに、着こなしやシチュエーションごとに、フィットする時計を私物コレクションの中からセレクトして頂いた。シーンに時計を合わせるのはもちろんだが、時計を発想の起点として、ここへ行ってみたい、こんな使い方をしてみたい、こんなコーディネートを楽しみたいと“空想”することは、時計の楽しみ方を広げてくれるに違いない。