ミラノサローネ創設に携わった名門ブランド③
Flexform(フレックスフォルム)

「確固たるアイデンティティを持ち、トレンドに追随することなく、独自の道を歩む」
─ジュリアーノ・ガリンベルティ(創業家3代目)
柴田文江
武蔵野美術大学工芸工業デザイン学科卒業後、大手家電メーカーを経て1994年Design Studio S設立。多摩美術大学教授、2018-2019年度グッドデザイン賞審査委員長を務める。著書『あるカタチの内側にある、もうひとつのカタチ』。
アジア人初、柴田文江の起用が今年のサローネ会場の話題に
1959年ミラノ郊外のメーダで創業したフレックスフォルムは、イタリアデザインの大御所アントニオ・チッテリオが40年にわたってクリエイティブ面を監修する一貫性あるブランド。高品質なモダンデザインのトップブランドという地位を確立しながら、肩ひじ張らない「気取らないエレガンス」が持ち味だ。
そんな同社が今回、新たに日本人デザイナー・柴田文江さんを起用しサローネの話題を集めた。日本では、体温計や包丁、炊飯器など日用品のデザインで定評のある実力者。


「新作『エリ』では“どんな空間にあっても自分だけのやすらぎをくれるかたち”をテーマにした。自在に動ける遊びがあって、しっかりとプライベート空間が作れる椅子に仕上がっていると思う。リラックスできて、フレキシブル。フレックスフォルムのアイデンティティそのままの作品」と柴田さん。


一方、創業家3代目のジュリアーノ・ガリンベルティさんは、「柴田さんはアームチェアに、エレガントに広がる襟のように包み込むようなラインを持たせた。快適さと、時代や流行を超えた独自の美意識を兼ね備えた作品は、フレックスフォルムの思想にマッチする」と評す。
フレックスフォルム トーキョー
URL:https://www.flexform.jp/一覧はこちら: ミラノデザインウィーク探訪
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