わずか6mmの12人の騎士が見守るモノ(センター)トゥールビヨン
立体的な造形美を織り成す複雑機構とレイヤード構造
2013年、ロジェ・デュブイはアーサー王伝説に登場する円卓の騎士団をアワーマーカーに見立てた。以来、メゾンの重要なモチーフとなった12人の騎士が、8作目にして円卓に代わってトゥールビヨンを囲んだ。センタートゥールビヨンは、ロジェ・デュブイとしては初。搭載するCal.RD115は、むろん自社製でジュネーブシールを取得した、入念な手仕上げが隅々まで行き届いた優れた審美性を誇る。
ムーブメントの9時位置に置かれた香箱から6時側にセンタートゥールビヨンを駆動する調速輪列を、12時側にディスク式時分針の駆動輪列を構築。センタートゥールビヨンとしては、極めてオーソドックスな構造であり、信頼性が高く、耐久性にも優れているであろう。トゥールビヨン駆動車は特に大型で、力強くキャリッジを回転させる。そしてトゥールビヨンを取り囲むように設置されたピンクゴールド製のマーカーを置く時・分の各サファイアクリスタル製リング状ディスクは、外周に金属製の歯車がはめ込まれ、調速された香箱と駆動輪列により外側から正確に回転させる仕組みだ。
リューズは2時位置のボタンで巻き上げと針合わせを切り替える設計。3時位置の騎士の下に現れる小さな赤旗が、時刻設定モードであることを知らせる。
アワーディスクをはじめとするセンタートゥールビヨンを中心としたダイヤルは、ベネチアのムラーノ島伝統のカラーガラス(ムラーノガラス)のブロックや透明なサファイアクリスタルなど8層のレイヤード構造とすることで、カラフルかつ立体的で力強い美観を得ている。
アワーマーカーを兼ねる12人の騎士の体長は、わずか6mm。鋳造と精密彫金によって丁寧に作られていて、それぞれ異なる甲冑を身に着けている。時計製造技術と工芸技術とが高次元に融合を果たし、美しくも独創的な複雑時計が生まれた。
この機構が凄い!

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