2022年に刊行された『世界一わかりやすい 腕時計のしくみ』の第2弾として、「複雑時計編」が発売となった。本書ではここ数年ブームが続いている複雑時計に絞って、その魅力的な機能や難解に動く「しくみ」を、とにかくわかりやすく解説。奥が深いさまざまな複雑機構のしくみをご紹介しよう。
複雑機構の傑作ムーブメント【Cal.1518】
新たに発明し、あるいは既存の機構を高性能に進化させる。複雑機構は、それを製作する時計ブランドの腕の見せ所だ。同じ機構を、いかにして独創的にして他社と差別化するか? 光るオリジナリティを、探る。
Cal.1518
高級感漂う18KPG製ムーブメント
コンパクトなスイングピニオン式とすることで、パーツの重なりを解消。レバーやハンマーの形状にも、工夫が見られる。作動レバーは太く、耐久性も高い。地板とブリッジは、高級懐中時計に倣った18KPG製。装飾仕上げと相まって高級感を高める。
ラトラパンテ
F.P.ジュルヌ[クロノグラフ ラトラパンテ]
上質さをも併せもつレーシィな佇まい
2つのインダイヤルをフレームでつないでビス留めし、黒いベゼルにタキメーターを刻んだ姿は、レーシィな印象である。ケースは12.1mmと薄く、装着感に優れる。手巻き。径44mm。18KRGケース&ブレスレット。
ラトラパンテを異例の薄さに
ジュネーブを拠点とするフランス人時計師フランソワ‐ポール・ジュルヌは、高級時計の古典に学びながら、独創的な機構の数々を生み出してきた。2018年、彼が率いるメゾンの市販モデルとしては初のラトラパンテが登場した。そのメカニズムは、ジュルヌらしい独創性が光る。
まず主輪列をオフセット化。さらに各パーツの重なりを極力避ける設計とすることで、複雑なラトラパンテムーブメントとしては極めて異例の6.8mm厚という薄さを実現したのだ。しかもビッグデイトも搭載して。ベースとなるクロノグラフ機構は、リューズ上側のボタン1つで操作するワンプッシュ式。下側のボタンで、スプリット秒針を操作する。ブレスレット一体型の外装も、スポーティかつスタイリッシュだ。
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『世界一わかりやすい 腕時計のしくみ【複雑時計編】』
定価:2,420円(税込)
発⾏・発売:株式会社世界⽂化社
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