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同期して精密性をより高める1つの時計に2つのムーブメント
オープンワークから眺める独自機構によるテンプの共振
アーミン・シュトロームは1967年、スケルトン時計の名手だった同名の時計師により設立された。その独特な時計作りはマスター・ウォッチメーカーのクロード・グライスラーらに引き継がれ、2009年にマニュファクチュールとして再出発。2016年には“レゾナンス”と呼ばれる特許機構を生み出し、持ち前のスケルトンデザインと組み合わせた個性的コンプリケーションを数多く手がけている。
今年発表した「ミラード・フォース・レゾナンス マニュファクチュール・エディション グリーン」はまさにこれにあたる。“レゾナンス”とはもともと、同じ振動数をもつ2つの物体が自ずと同期しようとする特性によって発生する科学現象のこと。2つの物体が共振することで1つの振動よりも精密性が増し、強度や安定感もアップするのである。
互いに共振する2つの手巻きムーブメントを搭載した本作では、自然のレゾナンス現象に加え、独自開発した「レゾナンス・クラッチ・スプリング」を機構内に備える。このスプリングが2つのテンプで調速を司るひげゼンマイをつなぎ合わせることにより、いっそうシンクロ状態を高めて時計精度を向上させるシステムである。独特な形状に設計されたスプリングが軽快にうねり、2つのテンプが共振し合う様子もスペクタクルだ。
オフセンターに配したグリーン文字盤の左上下には、独立した調整機構によるツインセコンドを装備。その左横には、レゾナンス・クラッチ・スプリングで連結した2つのテンプも見える。パーツ製造に通常の10倍の時間を要する手巻きCal.ARF21は、品質向上のために手作業の2回組みを実施。立体的なテンプ受けや面取り、フロステッド、ペルラージュなどの仕上げもすべて手作業。それらの独創的で美しい姿は、同ブランドのルーツとなるオープンワークから楽しめる。
この機構が凄い!
【Point 1】
共振して安定する2つのムーブメント本作には毎時2万5200振動の手巻きムーブメントを2つ搭載。これらが互いに同期しようとする“レゾナンス”現象を利用することで、通常よりも高い精密性や強度、安定性、弾力性を得ることが可能に。これはアーミン・シュトロームが初めて採用した特殊機構だ。
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【Point 1】
共振して安定する2つのムーブメント
本作には毎時2万5200振動の手巻きムーブメントを2つ搭載。これらが互いに同期しようとする“レゾナンス”現象を利用することで、通常よりも高い精密性や強度、安定性、弾力性を得ることが可能に。これはアーミン・シュトロームが初めて採用した特殊機構だ。
【Point 2】
レゾナンス・クラッチ・スプリング2つのムーブメント内のテンプの共振をより高めるのが、アーミン・シュトロームが独自に開発した「レゾナンス・クラッチ・スプリング」。このスプリング機構が各々のひげゼンマイを直接つなぎ合わせることで、2つの調速脱進機が完全な共振状態をキープする。
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【Point 2】
レゾナンス・クラッチ・スプリング
2つのムーブメント内のテンプの共振をより高めるのが、アーミン・シュトロームが独自に開発した「レゾナンス・クラッチ・スプリング」。このスプリング機構が各々のひげゼンマイを直接つなぎ合わせることで、2つの調速脱進機が完全な共振状態をキープする。
【Point 3】
手作業の2回組みとオープンワーク搭載する自社製の手巻きCal.ARF21は、パーツ製造に通常の10倍もの時間が費やされ、妥協のない品質への信念から2回の組み立てを手作業で行う。またオープンワークの採用により、独創的な機構とともにムーブメントの美しい仕上げや面取りなどが観賞できる。
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【Point 3】
手作業の2回組みとオープンワーク
搭載する自社製の手巻きCal.ARF21は、パーツ製造に通常の10倍もの時間が費やされ、妥協のない品質への信念から2回の組み立てを手作業で行う。またオープンワークの採用により、独創的な機構とともにムーブメントの美しい仕上げや面取りなどが観賞できる。
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※表示価格は本書発売時(2023年9月1日現在)の税込み価格です